Red Hat、オープン・エッジ・コンピューティングの次の進化を実現する軽量Kubernetesソリューションを発表

Red Hat Device Edgeは、リソースに制約のあるエッジデバイスに柔軟な実運用グレードのKubernetesとLinuxを提供し、さまざまな規模のエッジデプロイメントに優れた一貫性を提供します。

東京 -

[ミシガン州デトロイト2022年10月25日(現地時間)発表]アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.は本日、ロボット、IoTゲートウェイ、ポイント・オブ・セール、公共交通機関等の小型機器に従来型またはコンテナ化されたワークロードを柔軟にデプロイするためのソリューションであるRed Hat Device Edgeを発表しました。Red Hat Device Edgeは、Red Hatが主導するオープンソース・コミュニティ・プロジェクトで、Red Hat OpenShiftのエッジ機能を元に構築された軽量Kubernetesオーケストレーション・ソリューションであるMicroShiftのエンタープライズ対応/サポート付きディストリビューションと、Red Hat Enterprise Linuxを元に構築されエッジに最適化されたオペレーティングシステムを提供します。Red Hatのこのエッジ・ポートフォリオの最新製品は、ワークロード戦略の変化に合わせて組織のアーキテクチャを進化させることを可能にする、将来性のあるプラットフォームの提供を目的としています。

より多くの企業が、より広範なユースケースにわたってエッジ・コンピューティングをデプロイする中で、数多くの新しい問題、運用上のニーズ、およびビジネスの課題が生まれようとしています。自動車産業や製造業など多くの業界で、企業は様々な環境、セキュリティ、運用の課題に直面しており、リソースに制約のあるこれらの環境で小型フォームファクタのエッジ機器を使用した作業が求められています。最終的には、コンピューティング処理能力、ソフトウェアの互換性、セキュリティ・フットプリントの面でデバイスごとに要件が異なります。

Red Hat Device Edgeを使用すると、組織は小さなフットプリントでコンテナをエッジに柔軟にデプロイできるようになり、従来のKubernetesのエッジ構成と比べて必要なコンピューティング処理能力が最大50%軽減されます。また、Red Hat Device Edgeには以下の要素が組み込まれているため、デバイス・エッジでの大規模なエッジコンピューティング環境における多くの新たな問題への対応に役立ちます。

  • エッジ・デプロイメント用に構築されたKubernetes:ITチームは、使い慣れたKubernetesの機能を、MicroShiftによって提供される、最新のより小型で軽量のフットプリントで使用することができます。これにより、エッジ・コンピューティング環境向けのクラウドネイティブ・アプリケーションを構築するチームの参入障壁が低減され、データセンターからパブリッククラウド、エッジに至るまで、ハイブリッドクラウド全体にわたって、既存のKubernetesのスキルを使うことでより高い運用の一貫性を実現することができます。

  • エッジに最適化されたLinux OS:世界をリードするエンタープライズLinuxプラットフォームであるRed Hat Enterprise Linuxを基に構築され、小型エッジ機器向けに調整されており、最小限の帯域幅を使用するインテリジェント・アップデートを備えています。これは、組織が断続的な接続という課題に取り組みながら、エッジの革新に対する影響を軽減するために役立ちます。

  • エッジ機器群のスケーリングと監視を中央集中的に行う機能:Red Hat Smart Managementによって提供されます。ITチームは、ゼロタッチ・プロビジョニング、システム健全性の可視化、および自動ロールバック付きアップデートを使用して、より強固なエッジ管理とアプリケーション・セキュリティ体制を維持できます。

様々な業界にわたり幅広くリソースに制約のある使用例に対応するRed Hat Device Edge

Red Hat Device Edgeは、最も困難なエッジ環境に取り組むRed Hatのお客様とパートナーを手助けするために作られました。たとえば、Lockheed MartinRed Hatと協業してMicroShiftプロジェクト・コミュニティに貢献するとともに、Red Hat Device Edgeのデプロイによって、原野火災管理、競合的軍事環境、および宇宙を含む極限の条件下でのアプリケーション配備とAIワークロードのモダナイズ/標準化の作業を進めています。さらに、ABBはリソースに制約のある機器でABB Ability™ Edgenius™用にRed Hat Device Edgeを使用する計画です。Edgeniusは、産業用ソフトウェア・アプリケーション用の包括的エッジ・プラットフォームです。

Red Hat Device Edgeは、業界を問わず、ベアメタル、仮想化、またはコンテナ化されたアプリケーションに対応する小型のエッジ機器を必要とする組織を対象としています。他の使用例として以下がありますが、これらには限りません。

  • 公共交通機関の小型、コネクテッド・ノード:多くの場合エッジ機器が動作しているが、データをローカルでリアルタイムに分析するために、AI/MLを介して、より高速な処理を行う必要がある用途(鉄道、鉱山、自動車、ドローン)。

  • 過酷な場所にある復元性を備えたリソース・ノード:過酷で、サポートが困難な環境にも関わらず、エッジ機器が自分自身を管理し、自動化されたロールバックの実行、より強固なセキュリティ体制の維持、機密データ管理の徹底を行う能力を備えた気象監視ステーション等。

  • エッジの制約がある環境:重量、温度、および接続性のすべてが重要な問題になる場所で、数千のエッジ機器がアプリケーションを実行するような場合。

Red Hat Device Edgeは、Podmanをエッジ・コンテナ管理、またはMicroShiftをKubernetes APIに使用して広範なワークロードを実行するため、組織がエッジ・コンピューティングの導入を進めているあらゆる場面に最適です。また、お客様は、従来のWindowsアプリケーションを仮想マシン内で使うことも可能です。

提供開始時期

Red Hat Device Edgeは、来年前半の開発者向けプレビューが計画されており、2023年後半に完全サポート付きで提供を開始する予定です。

サポートコメント

Red Hat  In-Vehicle Operating Systemおよびエッジ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー フランシス・チョウ
「エッジの革新は、あらゆる業界の組織に新しいベネフィットと使用事例をもたらしましたが、新しい課題も生みました。Red Hatは、お客様やパートナーと協力して、エッジ専用に設計された新しいテクノロジー製品を開発し、ハイブリッドクラウド・ソリューションを拡張することで、私達のエコシステムがインテリジェンスと信頼できるオープンソース・テクノロジーとの組み合わせを利用して、最小フットプリントの遠隔地に設置されたエッジデバイスでのユースケースに取り組めるようにするための作業に乗り出しました。コミュニティでテストされ、Red Hatによって製品化されたRed Hat Device Edgeは、エッジ・コンピューティングが約束する幅広いベネフィットの完全な利用へと向かう大きな次の一歩です。」

Lockheed Martin 人工知能担当バイスプレジデント Justin Taylor 氏
「Red Hat Device Edgeによって、Lockheed MartinはDODという顧客の最も困難な任務向けにAI処理を大きく変革することができます。小型の軍用プラットフォームが大規模なAIワークロードを扱えるようになることで、現場での能力が向上し、進化する脅威に対して米軍が先行できることが保証されます。Lockheed Martinは、長年にわたるRed Hatの顧客かつ協業者であるため、協力してRed Hat Device Edgeの作業を行うことは、この戦略的関係における極めて重要な次のステップです。」

ABB プロセス・オートメーション事業本部最高技術責任者 Bernhard Eschermann氏
「ABBは、引き続きRed Hatと協力し、製造業界におけるオペレーションの自動化から自律化への移行を合理化する作業を行うことを嬉しく思っています。Red Hat Device Edgeによって、ABBはクラウド環境と制御環境を接続し、より限られたリソースで機器のデータを収集および分析することにより、資産の効率と運用を向上させることができます。この継続的な協業を通して、ABBのエコシステムは、現在および将来にわたり革新的な市場リーダーによって推進されるオープンソース・ソリューションのベネフィットを体験することになります。」

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本件に関するお問い合わせ

  • レッドハット株式会社 広報担当 pr-jp@redhat.com TEL:03-4590-7472
  • Red Hatについて
  • エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。



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