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脅威の台頭

Linux は、より安全なオペレーティングシステムと見なされることが多いですが、マルウェアの脅威の影響を全く受けないという訳ではありません。 

近年、Linux マルウェアの量と種類の増加が顕著になっています。サイバー攻撃者は、次のようなさまざまな目的で Linux ベースのシステムに目を向けています。

  • データ窃盗
  • ファイルの暗号化
  • 暗号通貨マイニング
  • 分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃を開始する

Linux マルウェアはさまざまな方法でシステムに侵入する可能性があるため、常に警戒を続けることが重要です。感染方法には次のようなものがあります。

  • パッチが適用されていない脆弱性を悪用する
  • 脆弱な認証メカニズムを悪用する
  • サーバーの構成ミスを悪用する
  • ユーザーをだまして悪意のあるファイルを実行させる

Linux のユーザーと管理者は、これらの進化する脅威を常に認識し、潜在的なマルウェア攻撃からシステムを保護するためにプロアクティブに対策を講じる必要があります。

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 環境のセキュリティ体制を効率的に管理し、強化する方法を探しているなら、ぜひ Red Hat Insights を試してください。 

Insights は、RHEL サブスクリプションに含まれるクラウドベースの SaaS (Software-as-a-Service) オファリングであり、システムにプロアクティブな分析機能と自動化機能を提供します。Insights は、コンプライアンスチェック、脆弱性管理、マルウェア検出、構成ドリフトの検出と修復、イベント駆動型の自動化など、多くのタスクを支援することができます。

このブログ記事では、Insights の主な機能と利点を紹介し、これらの機能と利点を実際の環境で活用できるよう、それらの概要を説明します。

コンプライアンスを評価してレポートを生成する

業界や適用される規制に基づき、企業は IT セキュリティおよびシステムコンプライアンスに関して厳格なポリシーを遵守しなければならないことがよくあります。そのためには、ベストプラクティスに準拠し、発生したドリフトを修正し、強力なシステム構成と関連するセキュリティレベルをプロアクティブに維持することが重要です。Insights を使用すると、RHEL システムが PCI-DSS、HIPAA、CIS などのさまざまなセキュリティ基準にどの程度準拠しているかを確認できます。また、OpenSCAP スキャナーを活用してコンプライアンススキャンを実行し、各ルールの結果と推奨されるアクションを示す詳細なレポートを取得することもできます。 

Screenshot of Red Hat Insights Security > Reports tab

Insights は、 Remote Host Configuration クライアントを使用して、オンプレミス、パブリック/プライベート/ハイブリッドクラウドのいずれのシステムにもオンラインツールを接続することを可能にします。これにより、ワンクリックするだけで Ansible Playbook を介して修復アクションをシステム上で直接に、かつ大規模に実行できます。

Screenshot of Red Hat Insights Security > Systems tab

Insights により、RHEL 環境のコンプライアンスレベルを追跡し、向上させることができ、違反、罰金、監査などの結果を回避するのに役立つ可能性があります。

脆弱性の特定と対処

多数のシステムを扱っておられる場合、とくに本番環境では、RHEL システムに影響を与える脆弱性に迅速に対応することが重要です。Insights は、統合された脆弱性レポートと修復機能を提供し、お客様をサポートします。この機能は、共通脆弱性識別子 (CVE) データベースと照合してシステムを継続的にチェックし、分析します。 

Screenshot of Red Hat Insights Security > CVEs tab

CVE レポートは、それぞれの脆弱性の重大度、影響、解決状況の概要に加えて、影響を受けるシステムやパッケージに関する詳細を明確に示します。すべての CVE について、解決および対処するための実行可能なアクションは、プラットフォームで生成される Playbook を使用して自動化できます。また、Playbook を実行する方法は、お客様の環境に最適なものを選ぶことができます。

生成される Playbook は脆弱性の解決に焦点を当て、それを目的としています。また、再起動が必要かどうかを通知し、潜在的なダウンタイムを軽減するか、またはダウンタイムをなくすための手段を提供します。これらの Playbook は、処理中のシステム運用への影響も最小限に抑えるように設計されています。

Screenshot of Red Hat Insights Inventory > Systems tab

CVE レポートと自動修復機能は、RHEL システムのセキュリティと最新状態の維持に関心のある組織にとって不可欠です。Insights を使用すると、RHEL 環境を脅かす脆弱性をより効果的に検出し、解決することができ、潜在的な攻撃や脅威からプロアクティブに保護することができます。

マルウェアの検出と対策

Insights のマルウェア検出サービスは、YARA パターンマッチングソフトウェアと IBM X-Force Threat Intelligence チームのマルウェア検出シグネチャを使用して、システム上のマルウェアを探します。これは、脅威、影響を受けるシステム、感染のリスクレベルに関する幅広い情報を提供します。

Screenshot of Red Hat Insights Security > Malware > Signatures tab

スキャン結果は Insights のマルウェア検出ページで確認できます。このページには、各シグネチャに一致するマルウェアの情報 (マルウェアの名前、説明、参照情報、場所など) が表示されます。Ansible Playbook を使用して、マルウェアファイルやプロセスを排除または分離することもできます。

Screenshot of Red Hat Insights Malware Signature details page

ミッションクリティカルなシステムを扱う場合、データや運用に損害を与える可能性がある有害なソフトウェアから RHEL システムを保護するために、マルウェアの検出は極めて重要です。Insights は、RHEL 環境からマルウェアを見つけて削除し、全体的なセキュリティ体制とシステムの信頼性を向上させるのに役立ちます。

使いやすくなったイベント駆動型自動化

Insights は Event-Driven Ansible とも効果的に連携し、IT 環境におけるさまざまなイベントへの対応を自動化できます。Event-Driven Ansible は、自動化のパラダイムを命令型からリアクティブな自動化に変更し、監視ツール、ITSM ソリューション、クラウドサービスなどの内外のシステムをイベントソースにすることができます。Webhook、ログの取り込み、アラート、イベントはイベントプロセッサーを使用して実行可能なタスクに変換され、お客様はそれに基づいて独自のロジックとアクションを実装できます。

Insights と専用のイベントソースプラグインを統合した Event-Driven Ansible で、自動修復、Insights イベントに基づく ITSM 統合、サードパーティの監視システムを取り込むための情報強化など、多くの自動化シナリオで新しい可能性を開くことができます。

まとめ

Insights は、次のような幅広い機能を備えており、システムを大規模に表示、管理し、プロアクティブに修復するための優れたパートナーです。

  • コンプライアンス評価と修復
  • 脆弱性の管理
  • マルウェア検出
  • パッチ管理

Insights を使用すると、RHEL システムの可視性と制御を強化し、パフォーマンスとセキュリティを強化できます。Insights は、すべての RHEL サブスクリプションに追加費用なしで組み込まれ、ご利用いただけます。

Insights の詳細についてご興味がある場合、または実際に試してみたい場合は、Red Hat Insights のページにアクセスするか、Red Hat までお問い合わせください。


執筆者紹介

Alessandro Rossi is an EMEA Senior Specialist Solution Architect for Red Hat Enterprise Linux with a passion for cloud platforms and automation.

Alessandro joined Red Hat in 2021, but he's been working in the Linux and open source ecosystem since 2012. He's done instructing and consulting for Red Hat and delivered training on Red Hat Enterprise Linux, Red Hat Ansible Automation Platform and Red Hat OpenShift, and has supported companies during solutions implementation.

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