Ansible トレイルマップ
MOUNT BUTTON

STEP 6

ボタンを披露する準備

 ここまで歩んできた皆さんの目の前には実際に動作するボタンがあるはずです。これを同じ部署の同僚やリーダー、上司に披露しましょう。今は自分でボタンを作って、自分でボタンを押しているだけなので実感できないかもしれませんが、ボタンの披露はとても重要な意味を持ちます。このステップではボタンを周りに披露する理由と、実際に披露する際のポイントについて紹介します。

ボタン披露の意味

 皆さんがこの先に自動化2.0を進めていき、ボタンをどんどん作って行った場合に避けては通れない活動があります。それは「自分たちのボタン(サービス)をユーザーに認知させる」ことです。ボタンはただ作って利用可能な状態にしておけば活用されるかと言うとそうは都合よく行きません。ボタンの存在を知らない人が使わないのは当然ですし、ボタンの存在を知っていても、いきなり登場した謎のボタンを利用するよりも、従来から慣れ親しんだ方法を採用する人の方が圧倒的に多いはずです。そのため、皆さんは自分たちのボタンを認知してもらい利用を促進するための活動が必要となります。実際に、自動化2.0で大きな成果を上げている企業では「自動化の勉強会」といった名目で定期的に自分たちがリリースしたボタンの紹介活動を行い、認知度の向上と利用促進も進めています。ボタンが使われることで、課題が見つかり、その課題を解決することでボタンの品質が向上し、そしてそれが新たな要望へと繋がり、よりよいサービスとなっていきます。

 今後のボタン披露会の予行演習として、作ったボタンを自分の部署内に披露して行こうというのがこのステップの目的になります。まずは自分の身近な人達に自動化2.0とボタンの意味を理解してもらい、合わせて今後の自動化の方向性をあなたが示すことで、ボタン化の活動を個人の関心から、チームの関心や取り組みへと広げていくことを目指しましょう。

披露する場、内容、ゴール

 まず発表するための条件とゴールを整理しておきましょう。こういう時に、ついつい自分が作ったボタンの実装方法や動作原理、Ansibleとはそもそもどんなものか、といった技術を深堀りする内容を発表したくなりますが、今回は「自分が作ったボタン」の売り込みの予行演習です。技術的な内容はぐっと抑えてください。この発表をすれば、自然と周りから「Ansibleって〜なの?」という技術的な質問をたくさん受ける楽しい時間が始まることになります。

 ここでは自分が「どのような考え方に基づいて」、「どのようなアプローチをして」、「何を解決するのか」を重点的に伝えるように心がけましょう。合わせて必ず自分の作ったボタンのデモを含めるようにしましょう。アプローチの有効性を示す上で身近な業務を題材にしたデモはとても説得力があります。他社の凄い事例より、小さくとも身近な実例の方が具体的な活用イメージに繋がります。

項目 内容
発表する場 課会や部会
時間 30分程度
参加者 自分の上司、自分のチームのリーダー、同じチーム・グループの同僚等
内容 どのような考え方に基づいて → 自動化2.0
どのようなアプローチをしたか → ボタン化
何を解決するのか → 組織と人のオーバーヘッド
上記を実装したデモ → 自分が作ったボタン
ゴール 参加者に自動化2.0とボタン化の効果を理解してもらう
Ansible仲間を増やす

発表資料の素材

 とは言え、発表には準備の労力もかかります。ボタン披露のための発表資料のサンプルがあるので参考にしてください。このサンプルは自由に改変して利用できます。サンプルには一般的な自動化2.0を説明スライドと、皆さんの環境に合わせて編集してもらう箇所があるので、環境に合わせて編集しましょう。

資料ダウンロード

発表に向けて

 資料の準備の目処が立ったら、リーダーや上司に「新しい自動化の考え方を試してみたので次の課/部会で共有させてください」とお願いしてみましょう。これを断る上司はいません。前向きな挑戦は常に歓迎されるものです。上司と気軽に会話できる関係であれば、ここで簡単に内容を共有して、当日に質問をしてもらうような仕込みをするのも良い手でしょう。最初に的確な質問をもらうことができると、議論がより発展的な方向へと進みます。

 ここまで来たら後は発表を行うだけです。もしかすると発表で失敗したらどうしようと心配する方もいるかもしれません。しかし安心してください。例えば、皆さんが最近聞いた他人の発表で、「ここで噛んでた」とか「ここで言い間違えてた」といった内容を覚えていますか?ほぼ全ての人が「他人の些細なミス」には気を止めません。重要なのは発表の内容であり、ここまでトレイルマップを進めてきた皆さんの発表は間違いなく「良い内容の発表」になります。失敗を恐れず自信を持ってボタンを披露しましょう。健闘を祈ります!

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