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p>この記事では、より簡単に無料または低価格で RHEL をデプロイできる新しいオプションについて説明します。今回ご紹介するものの他にも、多数の新しいプログラムを準備中です。すぐにプログラムの詳細をご覧になりたい方は以下のリンクをクリックしてください。

2020 年 12 月 8 日、Red Hat はエンタープライズ Linux エコシステムに関する大きな変更、つまり、Red Hat は CentOS Linux の開発を 2021 年 12 月 31 日までとし、以後は CentOS Stream に移行していくことを発表しました。Red Hat と CentOS プロジェクトの運営委員会は、今後 Linux のイノベーションを牽引していくための最善の方法は CentOS Stream であると強く信じています。CentOS Stream により、広い意味でのエコシステム・コミュニティの一人ひとり (オープンソース開発者、ハードウェア/ソフトウェアメーカー、個人プログラマー、システム・アドミニストレーターなど) が、世界をリードする Linux プラットフォームの開発により密接にかかわることができます。

Red Hat は、CentOS Linux の既存ユースケースに対応できる新しいプログラムの作成準備を整えたうえで、CentOS Stream への移行を発表しました。そしてそれ以来、CentOS Linux のユーザーベースや CentOS プロジェクトコミュニティに参加している多種多様な人々から届くさまざまなフィードバックを集めてきました。その中には、デプロイメントのニーズやコンポーネントに関する具体的な技術的質問もあれば、デプロイ済みあるいはデプロイ予定のシステムを今後どのように扱っていけばよいのかを尋ねる質問もありました。そうした声に私たちは耳を傾けてきました。そして、CentOS Linux がさまざまな場所で多くの重要な役割を担っていたことを理解しました。

Red Hat が今回の変更を行った理由は、過去 10 年以上にわたって使われてきた Linux 開発モデルを、IT 界の進化のペースに対応できるものにする必要を感じたためです。この変更が一部のユーザーに破壊的な影響をもたらしたことは、私たちも理解しています。しかし、将来を見据えて難しい決断をすることは、Red Hat にとって初めてのことではありません。20 年近く前に Red Hat Linux の開発とサポートを終了し、Red Hat Enterprise Linux の提供を開始したときにも、今回と似た反応が寄せられました。当時と同様に今回も、私たちは RHEL エコシステムが可能な限り広範なコミュニティに役立つようにしたいという思いで取り組んでいます。そうしたコミュニティには、安定した Linux バックエンドを求める個人や組織、大規模な CI/ビルドシステムを管理するコミュニティプロジェクト、「次に来る最新技術」を見据えて活動するオープンソース開発者、各種ソリューションを 1 つに束ねたいと考えている教育機関やハードウェア/ソフトウェアベンダー、プロダクション用の強固なプラットフォームを必要とするエンタープライズなどがあります。

この記事では、RHEL に追加される無料または低料金のプログラムの一部について、詳細をお伝えします。今回ご紹介するものの他にも、多数の新しいプログラムを準備中です。

小規模なプロダクション・ワークロード向け無料 RHEL

CentOS Linux は無料で利用できる Linux ディストリビューションでした。RHEL にも以前から Red Hat Developer プログラムで無料利用オプションが提供されていましたが、利用条件により、開発者が使用する 1 台のマシンでの利用に限られていました。今回の聞き取りで、この制限がかなり厳しいものだったという声が寄せられました。

そのため、今回 Red Hat Developer プログラムの利用条件を拡張し、RHEL の個人 開発者向けサブスクリプションで 16 システムまでプロダクション環境で利用できるようにします。追加料金は一切かかりません。小規模なプロダクション環境でのユースケースであれば、RHEL を無料で、セルフサポートで利用できます。必要なのは、無料で取得できる Red Hat アカウント (または GitHub、Twitter、Facebook などのアカウントを使用したシングルサインオン) でログインし、RHEL や更新のダウンロードを行うことだけです。他に必要なものは何もありません。これは販促プログラムではないため、後で営業担当者から連絡が来ることもありません。サブスクリプションには簡単にフルサポートにアップグレードできるオプションが含まれますが、アップグレードするかどうかは自由です。

また、拡張された Red Hat Developer プログラムでは、AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azure などの主要なパブリッククラウドで RHEL を実行することもできます。使用するプロバイダーのホスト料金は発生しますが、開発用途でも小規模なプロダクション・ワークロード向けでも、OS の利用は無料です。

更新された個人開発者向け RHEL サブスクリプションは遅くとも 2021 年 2 月 1 日には提供が開始されます。

お客様の開発チーム向け無料 RHEL

今回寄せられたフィードバックから、開発者プログラムが個人のみを対象としていたことが、利用を困難にしている一因であったことがわかりました。そのため今回 Red Hat Developer プログラムを拡張し、お客様の開発チームが開発者プログラムに登録してそのメリットを活用できるようにします。今後はお客様の既存のサブスクリプションを通して無料で開発チームを開発者プログラムに追加できるため、RHEL を組織全体の開発用プラットフォームとして使いやすくなります。このプログラムでは RHEL を Red Hat Cloud Access 経由でデプロイできるのに加え、AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azure などの主要なパブリッククラウドからアクセスすることも可能です。プロバイダーに支払う通常のホスト料金の他は、追加料金はかかりません。

上記以外のユースケースでの RHEL 利用

これら 2 つのプログラムでは CentOS Linux のユースケースをすべてカバーできていないことは私たちも認識しており、RHEL を簡単に利用できる方法を今後も増やしていきます。現在も他のユースケースを想定したさまざまなプログラムの構築中であり、2 月中旬ごろには新たなニュースをお届けできる予定です。

Linux ユーザー、Red Hat のお客様、パートナー各社のニーズは常に進化しています。そのニーズに対応し続けていくことができるよう、私たちは RHEL を簡単に利用できるようにしたいと願い、それを阻む障害を取り除くための取り組みを行っています。変わり続けるニーズを満たしていくためには、Red Hat 自身が常に自社の開発方法やビジネスモデルを検証していかなければなりません。今回お届けする 2 つの新プログラムと、今後提供されていく各プログラムが、その目標への確かな一歩となることを私たちは確信しています。

今後、CentOS Stream は RHEL のコラボレーションハブとなります。各プロジェクトの立ち位置は次のとおりです。

  • Fedora Linux:オペレーティングシステムに新しく追加される大きなイノベーション、改善案、アイデアはここに組み込まれます。Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンはここから生まれます。

  • CentOS Stream:継続的デリバリーで提供されるプラットフォームで、これが RHEL の次のマイナーバージョンになっていきます。

  • RHEL:プロダクション・ワークロード用のインテリジェントなオペレーティングシステムです。世界中のほぼすべての業界で、ミッションクリティカルなデータセンターにおけるクラウド規模のデプロイ、ローカルのサーバールームやパブリッククラウドへのデプロイ、エンタープライズ・ネットワークの各地のエッジへのデプロイなどの用途で幅広く使用されます。

今回の変更は、まだ完了したわけではありません。Red Hat では皆様からのご意見を募集しております。ぜひ、本稿でご説明したユースケースが皆様のニーズに合うものであったかどうかをお聞かせください。

フィードバックは centos-questions@redhat.com までお寄せください。このアドレスに送られたメッセージはプログラム開発チームに直接届きます。ここでご紹介した対応には、皆様の声が反映されています。今後も皆様のご意見やご提案に耳を傾けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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