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Linux 

Red Hat Enterprise Linux 8 の最新バージョン

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は、世界中の企業でエンタープライズ IT インフラストラクチャの中核として利用されています。急速に変化する IT 環境の中で、ハイブリッドクラウドによるイノベーションのサポート、アプリケーションの管理、さまざまな環境におけるワークロードの効率的なデプロイメントを行うため、柔軟で安定した基盤が必要です。RHEL はそのようなニーズを満たす基盤として、企業が自信を持って業務を遂行し、イノベーションを促進できるよう支援します。

最新の RHEL 8 更新の提供が開始されました。RHEL 8.7 はすべて公式にリリースされ、お客様は、手作業でこなしているタスクの効率化、大規模なデプロイメントを標準化、日常的なシステム管理の単純化を実現できます。

バージョン 8.7 の新機能

RHEL 8.7 には、多数の新機能が導入されています。その中には、一貫性の確保とリスク軽減を目的としてシステム全体の暗号化ポリシーを表示および管理する機能、Web コンソールで生成した sosreport でデータにラベルを付けて任意で暗号化する機能、Web コンソールにおけるカーネルライブパッチ適用ワークフローが向上する kpatch 更新のみをインストールする機能、Web コンソール内で新規仮想マシンを作成する場合にインストールメディアをダウンロードする機能、カスタムのファイアウォールサービスを編集する機能などが含まれます。

また、Redfish Ansible 自動化モジュールなどの新しい RHEL システムロールも複数含まれており、お客様は Redfish ハードウェア管理インタフェースを使用して、システム電源の状態制御、ブートデバイスの順序管理、Redfish アカウントおよび仮想メディアの管理などを実行できます。

RHEL 8.7 に追加された拡張機能は、お客様が新しいシステムを導入したり、既存インフラストラクチャを管理したりする際に、セキュリティおよびコンプライアンスの管理を単純化するために役立ちます。RHEL で Identity Management を使用している組織は、新しい Ansible ツールを利用して、トポロジ全体でスマートカード認証を設定できるようになりました。さらに、外部ソース (AWS、Azure、Google など) に保存されている ID を使用して RHEL システムにアクセスできるようになりました。

RHEL では、2 年間の EUS 期間でアップグレードパスがサポートされるため、ライフサイクルの要件を計画する時間をこれまでよりも長く確保できるようになりました。Leapp によるインプレースアップグレードのサポート対象 が、RHEL 7.9 から 8.4 または 8.6、8.6 から 9.0、8.8 から 9.2 になりました (対象リリースが来年出荷される場合)。このサービスにより、2 年という期間を活用して、アップグレードについて理解し、計画できるようになりました。また、Convert2RHEL は、同時にリリースされる OS 間の変換 (CentOS Linux 7.9 から RHEL 7.9、CentOS Linux 8.4 から RHEL 8.4、CentOS Linux 8.5 から RHEL 8.5 など) に柔軟に対応できるようになりました。

Red Hat Enterprise Linux for SAP

System Analysis Program Development (SAP) および対応する Red Hat 認定 Ansible コレクション向けに RHEL システムロールが新たに導入され、SAP High-performance Analytic Appliance (HANA) クラスタの設定方法が明確化および自動化されました。SAP Hana system replication (HSR) および RHEL HA for SAP Solutions (Pacemaker) を活用することで、SAP をご利用のお客様は、SAP HANA 環境の構築に費やす時間と労力を削減でき、エラーを発生させずにタスクを実行できるようになります。

RHEL の Image Builder

Red Hat Enterprise Linux Image Builder (RHEL および console.redhat.com でホストされたサービスとして提供) を活用すると、組織は最適化された標準オペレーティングシステムのイメージを構築し、ランタイム環境全体に迅速にデプロイできます。

オンプレミス版の Image Builder の新機能には、Blueprint ファイルで定義されている OpenSCAP プロファイルのセキュリティ・コンプライアンスが含まれており、ユーザーは、Image Builder ブループリントに OpenSCAP セキュリティプロファイルを指定して、セキュリティ・コンプライアンス要件を満たすイメージを構築できるようになりました。さらに、RHEL UBI などのコンテナを Blueprint ファイルで定義されているとおりイメージに組み込むことができます。つまりユーザーは Blueprint で、起動直後に使用できるコンテナイメージ (コンテナレジストリからプル) をイメージビルドに組み込むように指定できます。

開発者向けの更新

RHEL 8 で、Application Streams の概念が導入されました。ユーザー空間コンポーネントのバージョンが複数配信され、オペレーティングシステムのコアパッケージよりも頻繁に更新されます。新しい Application Streams がリリースごとに追加され、新しいコンパイラー、ランタイム言語、データベース、および Web サーバーが追加されました。RHEL 8.7 では、Mercurial 6.2 (Mercurial 分散ソース制御管理ツールに対する最新の更新) など、多数の機能が強化されています。

参考情報


執筆者紹介

Gil Cattelain is Principal Product Marketing Manager for Red Hat Enterprise Linux. Cattelain has more than 20 years’ experience as a leader in high-tech software product marketing with a proven track record of managing major product releases and go-to-market strategies. Prior to Red Hat, Cattelain held product marketing leadership roles at Micro Focus, Novell, and Genesys, focusing on the endpoint management and DevOps/agile solutions, including digital marketing for the contact center market.

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