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Red Hat Summit 2023 に参加された方なら、Matt Hicks 氏が、現時点で最も卓越性と説得力を備えたテクノロジーの 1 つである人工知能 (AI) について大々的に宣伝したところを耳にしたことでしょう。AI は現在、IT コミュニティの内外で「注目のトピック」として定義されており、普及しています。メディア、アナリスト、ビジネスリーダー、政府職員、そしてオンラインでフォローしている誰もが、業界に関係なく AI について意見を持っています。

AI の多面的な性質や、実証済みおよび潜在的なユースケースについての複雑さは、AI が有意義で適切なタイミングで議論される理由の一部です。また、いつどのように、どこから始めればよいのかわからないとしても、組織を前進させたいなら、企業は AI を無視できない理由となっています。 

現在の AI、あらゆる場所の AI

これから世に出る無数のテクノロジーは、チャットボット、ソフトウェア・デファインド・ビークル、金融詐欺の検出、迅速な患者診断など、AI に基づくものになることは明らかです。現在の経済状況およびテクノロジー状況で存続して発展していくためには、ビジネスリーダーは戦略的、包括的、かつタイムリーな方法で AI の実装を優先し、データサイエンティスト、開発者、IT 運用チームが連携してビジネス全体で AI を効果的に運用できるようにすることが不可欠です。

Gartner によると、「AI には、生産性の向上、意思決定の改善、成長とイノベーションの新たな機会の創出により、組織に多大な価値をもたらす可能性がある」1とされていますが、一部の企業は AI の範囲を制限することを選択しており、まだ複数のビジネス機能に AI を導入していません2。 

企業は、AI が生産性の向上や、収益および差別化の促進にどのように役立つかを検討する必要があります。AI がもたらすものを十分に活用していないため、このような企業は運用のコストと複雑さの削減や、より優れたカスタマーエクスペリエンスの提供に役立つ詳細なエンゲージメントと知見を得る機会を逃しています。

組織が AI を効果的に使用するための能力を身に付けるには、次のことができる必要があります。

  • データサイエンティスト、開発者、IT 運用およびテクノロジーなど、さまざまなチームを連携させることで、AI ユースケースをアイデアから実稼働まで運用可能にする
  • チームのアジリティと効率を迅速に向上させる既存のツールとプロセスを使用して、AI 対応アプリケーションのプロダクションへのデプロイを加速する
  • 他のビジネス・アプリケーションと同様に、セキュリティ、規制、コンプライアンス、ガバナンスの標準を満たす

簡単に言えば、ビジネス全体に AI を導入する方法についてプロアクティブで包括的なアクションプランがなければ、企業は顧客の変化するニーズに対応するのに苦労することになるでしょう。

Red Hat による AI

オープンソースの協調的な性質と AI の力を組み合わせることで、Red Hat は、AI が登場する前には考えられなかったほど効果的かつ迅速に企業が世界の問題を解決できるよう支援します。これがなければ、HCA Healthcare は敗血症をより正確かつ迅速に検出するためのリアルタイム予測分析システムを作成できなかったでしょう。また、NTT 東はインテリジェントなビジネスインサイトを提供する映像 AI サービスを開発し、管理とバージョン管理の向上によってサービス運用コストを 50 - 60% 削減することはできなかったでしょう。幸いなことに、Red Hat は、AI が現在のエンタープライズにもたらす力だけでなく、将来にわたってもたらす可能性も認識しています。 

AI に関して、Red Hat は以下に注力しています。

  • オープンソース・テクノロジーを統合してユースケースを実現する
    • Red Hat では、オープンソース・コミュニティはイノベーションが始まる場所であり、AI に関しては特にそうであると考えています。Kubeflow、KServe、CodeFlare、Ray などのオープンソース・コミュニティとの深く根差した関係、Hugging Face などの企業のオープンソースモデル、および当社のアップストリーム・ファーストのアプローチにより、オープンで透明性のあるコントリビューションを促進し、パートナーとのダウンストリームのイノベーションを実現します。Red Hat とハードウェアおよびソフトウェアパートナーとのコラボレーティブな関係により、AI モデルの柔軟なデプロイが可能になり、データの取得と準備から監視と保守、ハードウェアの高速化まで、独自のユースケースに基づいたより完全な AI ソリューションを構築できるようになります。
  • 価値実現までの時間を短縮する
    • Red Hat は、データサイエンティストと開発者を集結させ、AI 対応アプリケーションの提供を迅速化し、変化への対応力を強化することで、仮説からモデル開発、デプロイ、測定へと至るプロセスを支援し、チーム間の効率性とコラボレーションを促進します。
    • 従来のアプリケーションに使用されるパイプラインとモデル開発に使用されるパイプラインには、多くの類似点があります。モデルやアプリケーションが変化しても、Red Hat OpenShift AI と Red Hat OpenShift は、MLOps と DevSecOps の担当者が適切なガードレールの構築を支援するツールを使用して迅速にイテレーションを行えるようにします。これらのプロセスを自動化および最適化することで、組織の効率性と有効性を大幅に高めることができます。
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  • AI 対応アプリケーションをどこにでもデプロイする
    • Red Hat は、パブリックやプライベートクラウド、オンプレミス、エッジなどで AI 対応アプリケーションを大規模に構築、デプロイ、管理、運用することを支援します。また、優れたセキュリティ機能で、より柔軟で信頼性の高い一貫性のあるコンピューティング・プラットフォームを利用できます。この柔軟性により、Red Hat は AI モデルをデータソースの近くに移動させてデータのプライバシー、グラビティ、または主権を懸念する組織をサポートし、データの移動を制限する規制要件に合わせて AI モデルを構築して使用できるようにします。 
    • 場合によっては、データグラビティに抵抗するのではなく、それを受け入れる必要があります。Red Hat OpenShift はまさにそれを可能にします。Red Hat OpenShift と Red Hat OpenShift AI を使用すると、短時間で大量の GPU が必要な場合は、モデルをクラウドでトレーニングしてプライベート・データセンターに戻すことができ、さらにはクラウドでレンタルすることもできます。 
  • 効率性と生産性を向上させる
    • Red Hat は、AI の迅速な開発と大規模なデプロイに必要なプラットフォームを提供し、AI を既存のプラットフォームに統合して、運用チームと開発者チームの両方の生産性と効率を向上させ、使いやすくします。人材不足などの課題に直面し、迅速なイノベーションを必要とする組織にとって、これは非常に重要です。たとえば、Red Hat Ansible Lightspeed (および IBM watsonx Code Assistant) は、生成 AI を利用して Ansible コードを生成します。この Ansible コードは、Red Hat のベストプラクティスに準拠し、信頼性が高く、IT 自動化のスキルギャップの解消に役立ちます。
    • AI を製品に統合した後に適切にスケーリングできることも、企業にとって重要な検討事項です。Red Hat OpenShift AI はこれに対処するために、モデルのレプリカの数を増やしたり、複数のレプリカを複数のクラウド上の複数のクラスタにデプロイしたりすることができます。

透明性と選択肢を重視して構築された Red Hat のエンタープライズ対応 AI ソリューションは、AI を日々のビジネスに適用することを可能にします。AI の力がここにあり、オープンで現実的なものです。Red Hat なら、この力を活用できます。 


Red Hat では、お客様の AI 使用経験に関するご相談をお待ちしています。ぜひ、Red Hat の戦略、AI、文化に関するレポートのアンケートへの回答にご協力ください。

1 Gartner®、「Research Roundup: Realizing Value From Artificial Intelligence (AI)」、Rita Sallam、Leinar Ramos、Radu Miclaus、Anthony Mullen、2023 年 8 月 17 日
2 McKinsey、「The state of AI in 2023: Generative AI’s breakout year」、2023 年

執筆者紹介

Ashesh Badani is Senior Vice President and Chief Product Officer at Red Hat. In this role, he is responsible for the company’s overall product portfolio and business unit groups, including product strategy, business planning, product management, marketing, and operations across on-premise, public cloud, and edge. His product responsibilities include Red Hat® Enterprise Linux®, Red Hat OpenShift®, Red Hat Ansible Automation, developer tools, and middleware, as well as emerging cloud services and experiences.

Previously, Badani was Senior Vice President of Cloud Platforms, where he helped solidify the company as a hybrid cloud and enterprise Kubernetes leader. Under his leadership, Red Hat has also expanded OpenShift from an award-winning Platform-as-a-Service solution to the industry’s leading enterprise Kubernetes platform, with 1,000+ customers spanning all regions and industries. Badani started at Red Hat overseeing product line management and marketing for the Red Hat JBoss® Enterprise Application Platform middleware portfolio.

Badani has played a significant role around strategy, analysis, and integration for key Red Hat acquisitions—including StackRox in 2021, CoreOS in 2018, and FuseSource in 2012—to bolster the company’s integration portfolio.

Prior to joining Red Hat, Badani served as Director of Product Management and Product Marketing of Integration and Application Platform Products at Sun Microsystems. He has more than 20 years of experience in the technology and finance industries at both established and emerging companies.

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