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Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は、世界有数のエンタープライズ Linux プラットフォームで、オンプレミス、ハイブリッドクラウドに関係なく、その安定性、汎用性、強化されたセキュリティ機能で知られています。RHEL をご利用のお客様が最新の更新とセキュリティパッチを常に利用できるように、Red Hat は 各 RHEL バージョンに対して明確に定義されたライフサイクル を確立し、お客様がさまざまなサポートフェーズをより明確に理解できるようにしています。

ここでは、まず RHEL ライフサイクルを構成するさまざまなフェーズの概要を説明します。

Red Hat Enterprise Linux ライフサイクルフェーズ

ライフサイクルにおいて、製品がどのようにサポートされるか、そして製品から最大限の恩恵を得るにはどうすればよいかを理解することが重要な部分です。

一般的に、バージョンによって例外がある場合を除き、RHEL ライフサイクルは 3 つの主要なフェーズに分かれています。

the RHEL lifecycle phases, illustrated

フルサポートフェーズ

フルサポートフェーズは RHEL の主要なライフサイクルフェーズであり、5 年間継続される予定です。

このフェーズでは、すべてのセキュリティ更新と、一部のバグ修正がリリースされるほか、Red Hat の裁量により新しいハードウェアの互換性の変更が OS に加えられます。Red Hat は、RHEL のマイナーリリースごとにインストールイメージも更新します。

メンテナンスサポートフェーズ

このフェーズは通常 5 年間で、このフェースでは重要なセキュリティとバグの修正に重点が置かれます。

メンテナンスサポートフェーズでは、Red Hat は次のサービスを提供します。

  • 重大かつ重要なセキュリティ エラータアドバイザリー (RHSA)
  • 緊急および選択された高優先度のバグ修正エラータアドバイザリー (RHBA)。Red Hat の裁量によります。
  • その他のエラータアドバイザリー (該当する場合)

延長ライフフェーズ

このフェーズでは、期間は Red Hat の裁量により、バージョンごとに異なります (一般的には 3 年ですが、延長されることも短縮されることもあります)。Red Hat は、RHEL の限定的なサポートを提供し、重要なセキュリティ更新のみをリリースします。新しい機能やバグ修正は含まれませんが、Red Hat の ナレッジベースとカスタマーポータル上のすべてのコンテンツ をご利用いただけます。また、新しい RHEL バージョンへのアップグレードと移行のサポートも含まれています。

RHEL ライフサイクルのメリットを理解する

RHEL ライフサイクルを理解すると、最新の RHEL バージョンを確実に使用することができます。最新版の使用は、アプリケーションとインフラストラクチャの安定性を維持し、明確なビジョンでインフラストラクチャのアップグレードを計画および実行するために重要です。

明確なサポートライフサイクルがあるオペレーティングシステムを標準化することで、運用面でも、経済的な面でも、多くの利点が得られます。

利点の一部を以下で紹介します。

  • セキュリティ脆弱性のリスク軽減: 最新の RHEL バージョンを使用すると、常に Red Hat からの最新のセキュリティ推奨事項および修正を確保できます。
  • 安定性の向上: Red Hat は RHEL の安定性の向上に継続的に取り組んでいます。最新バージョンを使用すると、このような拡張機能を利用いただけます。
  • メンテナンスコストの削減: 予測可能な更新ライフサイクルは、時間の経過とともにリリース間で発生する課題を減らすように設計されています。こちらを利用できるため、RHEL システムを最新の状態に保つことでメンテナンスコストを削減できます。

RHEL アップグレード・ストラテジーの計画

明確なサポートライフサイクルを設定する利点の 1 つは、インフラストラクチャのアップグレードをタイムリーに計画して実行できることであることがわかりました。

RHEL アップグレード・ストラテジーを計画する際には、次の要素を考慮することが重要です。

  • 現在使用している RHEL バージョン: 現在の RHEL バージョンのフルサポートフェーズの期間は、アップグレードの計画を開始するタイミングを判断する際の目安として適切です。
  • 組織固有の要件: 既存のアプリケーションやインフラストラクチャとの互換性など、組織固有の要件と制約を考慮する必要があります。
    • 弊社の経験として、通常、ハードウェアやサードパーティ・ソフトウェアの互換性の問題が原因で、アップグレードで大きめの障害や速度の低下が一部、発生します。以前のバージョンから抜け出せず、回避可能なセキュリティの脅威にさらされることが内容に、適切な計画を立てることが重要です。
  • 組織のリスク許容度: これは、前述の点と暗黙的に関係しており、メンテナンスフェーズの後期または終了間際まで以前のバージョンを使い続ける場合に、セキュリティ脆弱性やダウンタイムのリスクをどの程度まで受け入れるかを指します。

Red Hat は、RHEL アップグレードの計画と実行に役立つさまざまなツールとリソースを提供しています。このようなツールには、LEAPP アップグレードツール (異なるメジャーバージョン間のインプレース・アップグレードを行うツールで、アップグレード前の分析およびレポートで互換性の問題を特定して計画を立てることができる) と Red Hat カスタマーポータル (全 RHEL バージョンのドキュメントおよびサポート資料) などが含まれます。

サポートが必要な場合は、全アップグレードフェーズにおいて Red Hat カスタマーサポートおよび コンサルティングサービス が、ガイドとアドバイスを提供します。

まとめ

RHEL ライフサイクルを理解することは、RHEL インフラストラクチャを管理する上で重要な部分です。  ライフサイクル・ガイドラインに従うことで、RHEL の最新バージョンを使用していることを確認できます。こちらで説明したように、さまざまな利点が得られます。

RHEL ライフサイクルやその他の Red Hat 製品ライフサイクルに関する詳細は、お気軽に お問い合わせください。

詳細情報


執筆者紹介

Alessandro Rossi is an EMEA Senior Specialist Solution Architect for Red Hat Enterprise Linux with a passion for cloud platforms and automation.

Alessandro joined Red Hat in 2021, but he's been working in the Linux and open source ecosystem since 2012. He's done instructing and consulting for Red Hat and delivered training on Red Hat Enterprise Linux, Red Hat Ansible Automation Platform and Red Hat OpenShift, and has supported companies during solutions implementation.

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