フィードを購読する

Red Hat の第 10 回世界のテクノロジートレンドのアンケート結果が発表されました。例年通り、組織のデジタル・トランスフォーメーションの取り組み、IT 部門および非 IT 部門の予算配分の優先項目、クラウドの状況について、データから明らかになったことを見ていきます。さまざまな業界や地域の 700 名以上の IT (情報技術) リーダーを対象に調査を実施し、テクノロジー利用の新たな側面について理解を深め、傾向を追跡しました。ここでは、同レポートの主な調査結果と傾向、およびこれらの結果の経時的な変化に焦点を当てます。

セキュリティは引き続き予算配分の最優先項目

IT リーダーにとって、セキュリティが依然として予算配分の最優先項目であることに驚きはありませんが、Red Hat のデータによると、セキュリティはかつてないほど重要になっています。今年のアンケート回答者の 50% が、予算配分の優先項目トップ 3 の 1 つであると回答し、昨年から 5 ポイント増加しました。これは、直前のアンケートからの変動の幅としてどれよりもはるかに大きなものです。

しかし、セキュリティのカテゴリを深く掘り下げると、過去に見られたのと同じ不整合がいくつか見られます。IT セキュリティの予算配分の最優先項目として、脅威インテリジェンス、検出、対応が挙げられているにもかかわらず、セキュリティ意識向上のトレーニングと、セキュリティまたはコンプライアンスに従事するスタッフの採用の優先度がほとんどの地域で最下位にとどまっているのは興味深いことです。サードパーティまたはサプライチェーンのセキュリティは、ここ数年でサプライチェーンの脅威が世界中の注目を集めているにもかかわらず、予算配分に関しては下位にとどまっています。

概して、回答者の 3 分の 1 が脅威インテリジェンス、検出、対応とクラウドセキュリティーへの予算配分を優先しています。アジア太平洋地域では、ネットワークセキュリティと引き換えに、データの保護、プライバシー、主権、および障害復旧に関する予算を重視しています。そこで疑問が生じます。セキュリティの一部の要素には予算が不足しているのでしょうか?

2024 Global Tech Outlook RGB Chart 11 Japanese

Q5.6 - 今後 12 カ月間における、あなたの組織のセキュリティに関する予算配分の最優先事項は何ですか?あなたの組織が最も大きく投資している分野を 3 つまで選択してください。

アプリケーションのモダナイゼーションは地域によって異なる

既存アプリケーションのモダナイゼーションは、アプリケーション開発予算配分の優先項目の 45% でトップを占めています。デジタル・ユーザーエクスペリエンスの向上、クラウドネイティブ・アプリケーションのビルド、アプリケーションとサービス提供のスピードアップも最優先項目とされています。しかし、アプリケーション開発予算配分の優先項目は地域によって異なります。北中南米地域と欧州、中東、アフリカではアプリケーション開発予算配分の優先項目の順位はほぼ同じでしたが、アジア太平洋地域ではばらつきが大きく、アプリケーションのモダナイゼーションはアプリケーション開発予算配分の優先項目のかなり下位に配置されています。

アジア太平洋地域は、他の地域と比較して SaaS の使用率が高いことを考えると、レガシーソフトウェアを SaaS に置き換えることが他の地域よりもやや一般的なアプローチとなっているものと考えてよいでしょう。これとは対照的に、北中南米地域と欧州、中東、アフリカでは、回答者の半数以上が既存アプリケーションのモダナイゼーションがアプリケーション開発投資における最大分野であると回答しており、これはアジア太平洋地域の回答の 2 倍をはるかに超えています。その他の最優先項目には、デジタル・ユーザーエクスペリエンスの向上、クラウドネイティブ・アプリケーションのビルド、アプリケーションおよびサービス提供のスピードアップが含まれています。北中南米地域は新しい開発者用ツールの提供をより重視し、欧州、中東、アフリカはモバイルアプリケーションのビルドにやや重点を置いています。

2024 Global Tech Outlook Blog Chart 8 Japanese

Q5.2 - 今後 12 カ月間における、あなたの組織のアプリケーション開発に関する予算配分の最優先事項は何ですか?あなたの組織が最も大きく投資している分野を 3 つまで選択してください。

IT 管理予算配分の優先項目の変化

さまざまな形式のハイブリッドおよびマルチクラウド管理を含むクラウド管理という大きな分野は、今年も抜きん出て IT 管理予算配分の優先項目の第 1 位でした。59% の回答者がクラウド管理を上位 3 つの優先項目の 1 つに挙げ、わずか 2 年の間に 9 ポイントも上昇しました。ハイブリッドクラウド環境はいまや常識であることが判明しました。企業は一般的にプライベートクラウド・ファーストではなく (21%)、単一のパブリッククラウドで標準化しているわけでもなく (9%)、ハイブリッドアプローチを成功させるには、入念で戦略的な管理が必要です。

予算配分の優先項目が前年比で大きく低下した中で興味深かったのは、ワークロードの移行管理が 9 ポイントも低下し、IT 管理の予算配分の優先項目リストでほぼ最下位となったことです。この低下は、多くの組織が移行を終えてアプリケーションを最も効果的な場所で実行しているか、あるいは、少なくとも現時点では移行を優先していないことを示していると考えられます。

2024 Global Tech Outlook Chart 4 Japanese

Q5.7 - 今後 12 カ月間における、あなたの組織の IT 管理全体に関する予算配分の最優先事項は何ですか?あなたの組織が最も大きく投資している分野を 3 つまで選択してください。

手動プロセスがデジタル・トランスフォーメーションの取り組みを妨げ続けている

デジタル・トランスフォーメーションの成功を阻む障壁は、過去数年間で比較的一貫して存在し、手動プロセスや IT 運用、技術的負債、スキルセットや人材のギャップが、組織を妨げる最大の要因となっています。しかし、北中南米地域では手動プロセスが障壁として挙げられることが多い一方、欧州、中東、アフリカではそれほど多くありませんでした。自動化は IT の多くの分野で重要なトピックであることから、企業が多くの分野で自動化を開始しており、予算配分の面ではセキュリティ自動化、クラウドサービス自動化、サービス提供の自動化を優先に検討していることに驚きはありません。

とりわけ、資金不足とコスト削減の圧力は、経済的な不確実性と予算の緊縮にもかかわらず、リストの最下位付近にとどまっています。

2024 Global Tech Outlook Chart 1 Japanese

Q2.3 - あなたの組織のデジタル・トランスフォーメーションでの成功を妨げる最大の障壁は何だと思いますか?上位 3 つまで選択してください。

レポートで詳細を確認する

このレポートには、クラウド戦略、業界データ、自動化計画など、豊富な知見が追加されています。詳細な分析については、2024 年版 世界のテクノロジートレンドをご覧になり、企業が 2024 年に IT アプローチのモダナイズをどのように計画しているのかをご確認ください。

アンケートの方法

2023 年 8 月から 9 月にかけて、Red Hat は、収益が 1,000 万ドルを超える企業でハードウェア、ソフトウェア、またはクラウドの購入に関して少なくとも意思決定に影響を与える 706 名の情報技術リーダーを対象にアンケートを行いました。回答者は、Red Hat のお客様と Red Hat のパネルパートナーのサブセットから選ばれています。


UI_Icon-Red_Hat-Close-A-Black-RGB

チャンネル別に見る

automation icon

自動化

テクノロジー、チームおよび環境に関する IT 自動化の最新情報

AI icon

AI (人工知能)

お客様が AI ワークロードをどこでも自由に実行することを可能にするプラットフォームについてのアップデート

open hybrid cloud icon

オープン・ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドで柔軟に未来を築く方法をご確認ください。

security icon

セキュリティ

環境やテクノロジー全体に及ぶリスクを軽減する方法に関する最新情報

edge icon

エッジコンピューティング

エッジでの運用を単純化するプラットフォームのアップデート

Infrastructure icon

インフラストラクチャ

世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームの最新情報

application development icon

アプリケーション

アプリケーションの最も困難な課題に対する Red Hat ソリューションの詳細

Original series icon

オリジナル番組

エンタープライズ向けテクノロジーのメーカーやリーダーによるストーリー