Red Hat
Jump to section

よりよいロゴを作るために

Red Hat がロゴのリニューアルに踏み切った理由は数多くあります

とはいえ、完全に新しいものを一から作り直すことは考えていませんでした。旧ロゴと一定の類似性を保つため、既存のロゴを進化させるアプローチを選択しました。

帽子の人物のゆくえ

はじめは「Red Hat Man」、のちに「Shadowman」と呼ばれた、赤いフェドーラ帽をかぶった人物は、企業としての Red Hat を象徴していました。Red Hat の社員にとっての Shadowman は、当時タブーとされていたオープンソースソフトウェアをメインストリームに持ち込む、思いやりにあふれる解放者を表すものでした。ある意味で、オープンソースを悪とする風潮に対する、ウィットに富んだ反論でもありました。しかし、Red Hat が成長してメインストリーム企業となり、オープンソースが信頼と市場の牽引力を獲得していくにつれて、Shadowman のイメージは、かつてほど「Red Hat らしい」シンボルではなくなりました。

Red Hat のスペリング

また、旧ロゴ (redhat) では、Red Hat の社名が小文字で 1 語として表記されていました。

この点は修正が必要でしたが、直してみると、さまざまな選択肢が浮上しました。

書体

書体にも問題がありました。そのため Red Hat では、より自由で使いやすい書体を作ってオープンソース化し、誰もが使えるようにしたいと考え、書体デザイナーの Jeremy Mickel 氏と協力してオープンソースのフォントを 2 種類作成しました。

Red Hat Display および Red Hat Text と名付けられたこれらのフォントには、さまざまなウェイトとイタリック体が用意されており、あらゆる人が利用できます。

ロゴの構成

Red Hat の旧ロゴは、左側に Shadowman のアイコン、右側に社名を配置した横長の長方形以外の形を取ることはできませんでした。しかし、この構成では、たとえば favicon (ファビコン)、アプリアイコン、T シャツなどでの使用で支障を来すことがありました。

新しいロゴでは、イベントの道案内、Web ページ、記念グッズなど、その時々に応じて最適な組み合わせを柔軟に選択できます。要素は縦長にも横長にも配置することができ、「Red Hat」の文字の大きさも大小を選べます。

アプリケーション

これらのすべてが組み合わることで、フレッシュで見やすい、柔軟なビジュアルシステムが完成します。これにより、製品やサービスのロゴデザインを統一し、内部のチーム、プロジェクト、プログラムですっきりとした一貫性のあるデザインを使用し、以前はできなかった方法でブランドを共有できるようになりました。

Red Hat のブランドアセットにおいて、「赤」という色は Shadowman に次いで印象の強い要素です。赤はエネルギー、力強さ、能力、意志、情熱、愛情、勇気の象徴です。また、革命を表す色でもあります。それだけのパワーを持った色ではありますが、この赤にも手を入れる必要がありました。

赤の色味の微調整にあたっては、科学の力を活用しました。コントラスト比のテストを行ったところ、旧ロゴの赤は暗い背景ではコントラストが不足し、視力の弱い人には判別が難しいかまったく判別できず、正常な視力の人にも目の疲れを与えることがわかったのです。

新たなデザイン、同じビジョン。

Red Hat は、ロゴデザインをゼロからやり直したわけではありません。旧ロゴの最も印象深い、また重要な要素を残し、さまざまな人とのコラボレーションによって、現在の Red Hat の在り方とより強く共鳴するロゴを作り上げました。Red Hat のシンボルは、Red Hat の語るストーリーとどのように結びついているのか。それを考え抜いた結果、Red Hat 史上最も Red Hat らしいブランドへと生まれ変わりました。