Red Hat OpenShift 4.14 アプリケーション開発の簡素化と拡大を実現する新機能を搭載

スキルギャップへの対応とITイノベーションの複雑さの解消に貢献

 

東京 -

[ノースカロライナ州ローリー - 2023年11月6日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.は本日、Kubernetesを活用した業界トップクラスのハイブリッドクラウド・アプリケーション・プラットフォームであるRed Hat OpenShiftに対して新機能の導入と機能強化を行いました。新たにRed Hat OpenShift 4.14として一般提供されるこれらの機能は、開発、運用、セキュリティの各チームにおいてインフラストラクチャの複雑さを解消し、アプリケーション開発をシンプルにすることを目指しています。

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私たちの開発エコシステムにセルフマネージド型Red Hat OpenShiftとホステッドコントロールプレーンを導入したことは、インフラストラクチャコストの長期的な削減につながっており、リソースの効率性も持続的に向上しています。また、生産性の向上によってアプリケーション開発プロセスの最適化も実現されています。サービスとしてのクラスター(CaaS)とセルフサービス型のオプションを活用することにより、私たちの開発者は産業ソリューションの中核機能に集中できるようになっています。

Andreas Zerfas氏

German Edge Cloud GmbH & Co. KG CTO、デジタル産業ソリューション

Gartner®によると、IT人材に対する現在の需要はその供給を大きく上回っています。Gartnerの最近の調査では、CIOの86%が適格な候補者を巡る競争の激化に直面していると回答し、73%はIT人員が減っていくことを懸念していると言っています。

組織ではITスタッフの不足やスキルギャップが叫ばれ、チームには、少ない人手で多くの業務をこなすことが求められています。Red Hatでは、包括的なアプリケーション・プラットフォームの導入によって日々の複雑な運用やインフラストラクチャ管理作業をITチームから切り離すことができれば、ITスキルへの依存を大幅に減らせると考えています。新しいRed Hat OpenShift 4.14の機能強化は、インフラストラクチャ管理の運用コスト削減と複雑さ解消に取り組む組織を助け、重い負担から解放されたチームがイノベーションやクラウドネイティブ・アプリケーションの提供に注力できるようにすることを目的に行われました。

時間とリソースを最大限に活用する

管理オーバーヘッドの削減を支援するため、今回、ベアメタルおよびRed Hat OpenShift Virtualization上でのRed Hat OpenShiftのホステッドコントロールプレーンが一般提供となりました。Hypershiftプロジェクトに基づくホステッドコントロールプレーンは、コントロールプレーンをワークロードから分離することができ、この分離が、管理コストの削減、クラスターのプロビジョニング時間の短縮、クラスターのスケーリング制限の解消、セキュリティ境界の強固化に役立ちます。

Red Hat OpenShiftのホステッドコントロールプレーンは、これまでより少ないノードでコントロールプレーンの実行を可能にし、お客様は運用とコストの両面で効率化が実現することができます。ホステッドコントロールプレーンの使用により、組織はインフラストラクチャ管理のコストを最大30%削減できます。また、開発者は時間を最大60%短縮でき、生産性の向上と、アプリケーションをより早く提供することが可能になります。運用の観点では、マルチクラスターの管理全体を一元化することができます。これは、クラスターの状態や一貫性に影響を与える外部要因を減らすことにつながります。

ハイブリッドクラウド全体で柔軟性を高め、選択肢を増やす

  • Red Hat OpenShift Service on AWS(ROSA)で使用可能になっているRed Hat OpenShift Virtualizationを使って、より簡単にアプリケーションのモダナイズとクラウドへの移行を行う:AWS上で稼働するRed Hat OpenShiftも使用でき、AWS上でコンテナを使った仮想マシンの並列実行が可能になります。このため、これまで投資をしてきた仮想化環境は維持したうえで、各環境のあらゆる種類のアプリケーションに一貫したエクスペリエンスと単一の管理インターフェイスを提供できます。

  • 計算負荷の高いAIアプリケーションの開発、学習、デプロイにNVIDIA GPUアクセラレータのサポートを活用:生成AIアプリケーション、大規模言語モデル、チャットボット、画像・動画処理アプリケーションの構築に、Red Hat OpenShiftでサポートされるようになったNVIDIAのL40SおよびNVIDIA H100 Tensor Core GPUsアクセラレータを使用できます。

  • 一般提供となったRed Hat Device Edgeを使って、遠隔地のエッジに配置された、リソースに制約のあるデバイスにアプリケーションをデプロイMicroshiftのエンタープライズ対応/サポート付きディストリビューションであるRed Hat Device Edgeにより、Red Hatは運用の一貫性を既存のハイブリッドクラウド環境からエッジまで拡大しています。どんなに離れた場所に対しても、Red Hat OpenShiftであれば、これまでと同じツールとプロセスを使用できます。

  • Google Cloudで迅速に稼働を開始し、ネイティブのGoogleサービスをRed Hat OpenShiftとともに活用Red Hat OpenShift Dedicatedは、現在、Google Cloud Marketplaceから入手できるようになっています。これは、柔軟な使用モデルの1つとしてGoogleクラウドの確約利用料を使いやすくするために提供されています。

  • ARMの優れた計算速度とコスト削減機能を活用:Google CloudのArm上でRed Hat OpenShiftを使用できます。サポート付きのRed Hat OpenShiftをArmインスタンス上にデプロイし、Google Cloudのネイティブサービスと合わせて使用することが可能になっています。

  • Red Hat OpenShift Service on AWS(ROSA)の自動化された一貫性のある方法でクラスターをデプロイ:これは現在、Terraformを通じて使用可能です。インフラストラクチャ構成要素の手動変更やカスタム構築スクリプトの管理に伴って生じるリスクを最小限にできます。これは、TerraformのInfrastructure as Code(IaC)エコシステムおよびHashicorp TerraformレジストリにRed Hatが初めて正式参加したことから実現されています。

アプリケーション・ライフサイクルの全体にセキュリティ機能を統合する

Red Hat OpenShiftは、コンプライアンス要件への適合の改善とリスクの軽減を目指す組織への支援として、セキュリティとコンプライアンスの機能を統合しています。これは、各チームにおける運用のさらなる効率化に役立つと同時に、DevSecOps戦略の実現のために追加で必要になるツールを抑えることにもつながります。

新しいセキュリティの機能強化によって、お客様は以下のことが可能になります。

  • シークレット管理によって機密データをさらに強固に保護:この技術は、Red Hat OpenShift Shared Resource CSI Driverで現在テクノロジープレビューとして使用可能です。証明書、暗号化キー、パスワード、トークンなどのシークレットを、クラスターとは別のシークレット管理システムに保管できるようになります。このシークレット管理システムが暗号化と検証の機能を提供し、セキュリティ要件の遵守を確実にします。このような信頼性の高いネイティブシステムを使うことにより、各チームは脅威の可能性を減らし、最小限の手間でいち早くITセキュリティ問題の芽を摘み取ることができます。

  • AzureマネージドIDおよびGoogle Cloudユーザータグによって、高い可視性が実現されているクラウド・プロバイダー・サービスを使用する:AzureマネージドIDとGoogle Cloudユーザータグは、ユーザーにクラウドプロバイダーのサービスを直接使用することを許すと同時に、セキュリティチームにITセキュリティポリシーを徹底するための可視性をもたらします。これは、ハイブリッドクラウド全体でアプリケーション・プラットフォームに対するセキュリティの層を厚くすることにつながります。AzureマネージドIDでは、セキュリティチームが追加の認証方法として有効期間の短いトークンを発行して、各IDのスコープを定義できます。Google Cloudユーザータグでは、セキュリティチームがロールベースのアクセス制御を定義したり、OpenShift環境全体でどのリソースが使用されているかを特定したりすることが可能になります。

  • Red Hat Advanced Cluster Security Cloud Serviceの無料トライアルを使って、セキュリティ対策を早期段階で行うアプローチをアプリケーションの開発や管理に取り入れるRed Hat Advanced Cluster Security Cloud Serviceのトライアルでは、基盤にあるKubernetesプラットフォームに関係なく、強力なクラウドネイティブ・セキュリティ機能のメリットを活用できます。

ご利用について

Red Hat OpenShift 4.14は、現在、一般提供されています。最新バージョンへのアップグレード方法などの詳細については、こちらを確認してください。

サポートコメント

Red Hat ハイブリッドクラウド・プラットフォーム担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー ジョー・フェルナンデス
「価値実現までの時間を短縮することは、お客様が最優先事項として挙げるものの1つですが、時間も人員もひっ迫しているITチームにとっては難しい要求です。Red Hat OpenShiftは、モダンアプリケーションの開発やIT運用を包括的なアプリケーション・プラットフォームによって簡素化することを目指しています。複雑さを解消し、広範囲にわたるツールやサービスを単一のプラットフォームとして提供します。Red Hat OpenShiftの最新バージョンでは、ITチームの重荷となっている日々のインフラストラクチャ運用の作業をさらに減らすことができます。これにより、組織はイノベーションの推進に力を入れられるようになり、変化する顧客ニーズやビジネスニーズに最善の方法で対応するソリューションを構築できます。」

German Edge Cloud GmbH & Co. KG CTO、デジタル産業ソリューション Andreas Zerfas氏
「私たちのスケーラブルなアプリケーション・プラットフォーム「ONCITE Digital Production System」は全面的にRed Hat OpenShiftに支えられています。私たちはこのプラットフォームを使って、エッジでの分析、品質管理、リアルタイムの生産インサイトなど、スマートファクトリー向けの産業ソリューションを推進しています。私たちの開発エコシステムにセルフマネージド型Red Hat OpenShiftとホステッドコントロールプレーンを導入したことは、インフラストラクチャコストの長期的な削減につながっており、リソースの効率性も持続的に向上しています。また、生産性の向上によってアプリケーション開発プロセスの最適化も実現されています。サービスとしてのクラスター(CaaS)とセルフサービス型のオプションを活用することにより、私たちの開発者は産業ソリューションの中核機能に集中できるようになっています。」

ヨーテボリ大学 ITインフラストラクチャ・スペシャリスト Carl-Johan Schenström氏
「特に重要度が高く、慎重な注意を要する私たちのプロジェクトの多くは仮想マシンを基盤としています。しかし、顧客ニーズを適切に満たすためにポートフォリオのモダナイズが必要であることは認識されていました。アプリケーション・プラットフォームとして私たちがRed Hat OpenShiftを選んだ理由は、OpenShift Virtualizationの機能にあります。この機能は、仮想マシン上の従来のアプリケーションを、新しいクラウドネイティブ・アプリケーションと並列実行することを可能にします。これにより、管理が容易になり、管理者にとっての一貫性も維持されます。Red Hat OpenShiftによって私たちは多くの時間を節約できるようになりました。そして今は、その時間を新しいアプリケーションの構築に使うことができています。また、新しいOpenShift Virtualizationのサポートはパブリッククラウドにも拡大されているので、将来的に、計算負荷の高い人工知能や機械学習、データサイエンスなどのワークロードにパブリッククラウドを活用するという私たちの戦略にも、このプラットフォームは役立ってくれると思います。」

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本件に関するお問い合わせ

  • レッドハット株式会社 広報担当 pr-jp@redhat.com TEL:03-4590-7472
  • Red Hatについて
  • エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。



  • 将来の見通しに関する声明
  • エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。

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    ここに記載されている過去の事実に関する情報および討議を除き、本プレスリリースに含まれる表現は、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)が定める定義の範囲内で「将来の見通しに関する声明」に相当する場合があります。将来の見通しに関する声明は、将来の事業および業績に関する当社の現時点での仮定に基づいています。これらの声明には、様々なリスク、不確実性、その他の要因が含まれており、実際の結果は、そうした将来の見通しに関する声明で示されたものと実質的に異なる場合があります。このプレスリリースに掲載されている将来の見通しに関する声明は、その発行日時点の当社の見解を示したものです。法令により義務付けられる場合を除き、当社は、将来の見通しに関する声明を更新または訂正する義務を一切負いません。

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