ドワンゴ、開発環境にRed Hat OpenStack Platformを導入。インフラ提供の自動化が実現しサービスのリリーススピードを向上

東京 -

レッドハット株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:望月 弘一、以下:レッドハット)は本日、株式会社ドワンゴ(本社 東京都中央区銀座、代表取締役社長:荒木 隆司 、以下:ドワンゴ)が、自社内の新サービス開発基盤にRed Hat OpenStack Platformを導入したことを発表しました。これにより、インフラの共通化と自動化を進めセルフサービスとAPIを提供することで、開発部門がタイムリーに仮想マシンインスタンス等のインフラ環境を利用できるようになりました。

ドワンゴは、動画サイト「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」といったポータル事業をはじめ、音楽配信事業、各種モバイル向け事業などを行い、インターネット上での多彩なエンタテインメントコンテンツを提供する企業です。特に同社のポータル事業は、有料会員だけで252万人を超え、その中心となるユーザーは10〜30代のデジタルネイティブ世代です。これらユーザー層に向けて人気サービスを運営していくためには、環境やトレンドの変化を見越した継続的なサービス改善や新規サービスの開発が欠かせませんでした。

これまで開発部門でシステム環境が必要になると、インフラ部門では、仮想サーバーを作成し、OSやミドルウェアをセットアップ後、ネットワークなどを設定して引き渡すという工程を踏んでいました。一連の作業には手作業も多く、手間も時間もかかっていました。また、用意する環境も物理サーバーや仮想サーバーが混在しており、一元管理ができていないことも課題でした。ユーザーの期待に応えるサービスを提供し続けるには、改善サイクルを向上させていく必要があり、そのためには、インフラのセットアップ作業などのタスクを自動化し、また、管理の効率化も考え一元管理も進める必要がありました。

このように、開発部門ではサーバー等、開発環境の調達時間の短縮が課題となっており、また、インフラ部門ではシステム運用の効率化が必須となっていました。これらを解決するために、新たな開発インフラを構築することになり、そこで注目したのがオープンソースソフトウェアであり、かつコミュニティ活動が活発で情報が豊富で入手しやすいOpenStackでした。コミュニティ版のRDOや他社の商用ディストリビューションと比較した結果、外部ネットワークを複数保持する自社データセンター内ネットワークの構成に柔軟に対応でき、また、豊富なエンタープライズでの導入実績のある、Red Hat OpenStack Platformの採用を決定しました。

1,000台の仮想サーバーを運用できる規模を想定し、コントロールノードや監視、ログ収集、Red Hat OpenStack Platformのdirectorなどが同居したサーバーが4台、仮想サーバーを動かすコンピュートノードが十数台といったシステムを構築しました。サービス単位でテナントに分けられ、その中で開発者が自由に仮想インスタンスの作成や破棄等が行えるようになり、2017年3月時点で、すでに十数のサービスで利用されています。

Red Hat OpenStack Platformの導入により開発インフラ提供の自動化が実現され、セルフサービスによる省力化とリードタイム短縮が実現しました。実際、新しい開発サーバーを立てる時間が大幅に短縮され、以前は仮想サーバーを引き渡すまでに数日かかっていましたが、今はスクリプト化され、10分ほどで完了します。

また、OpenStackが提供するクラウド制御APIを活用して、継続的インテグレーションの実践等の開発プロセスの更なる改善に取り組んでいます。開発プロセスを自動化するため、開発者はOpenStackのAPIを利用して自動化する方向にあります。また、インフラ部門でもさらなるITの自動化を模索しており、そうした知見が社内に蓄積されることでよりITの効率化がさらに進むと考えています。

 

サポートコメント

株式会社ドワンゴ 基盤開発本部 Dwango Cloud Service部 Infrastructure Service Produceセクション 川畑 亮介氏

「当社では、ユーザーニーズに応えることのできる人気サービスを運営していくためには、環境やトレンドの変化を見越した継続的なサービス改善や新規サービスの開発が不可欠と考えています。このためには、開発インフラ提供の自動化の実現が重要で、これにより、サービスのリリーススピードの向上を目指しました。Red Hat OpenStack Platformの導入は、期待以上の効果を上げており、今後は本番環境への展開も検討していきます。」

 

レッドハット株式会社 代表取締役社長 望月 弘一

「この度、Red Hat OpenStack Platformの導入により、開発インフラ提供の自動化が実現され、セルフサービスによる省力化とリードタイム短縮が実現したことを、大変嬉しく思います。Red Hat OpenStack Platformは、拡張性が高く豊富な実績のあるIaaSソリューションであり、ますます多くのグローバル企業にとってオープンソースのクラウドプラットフォームとして選択されています。今後ドワンゴ様が検討されているOpenStackを活用した新たな取り組みに関しても、レッドハットは継続的にご支援してまいります。」

 

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