Red Hat APAC Innovation Awards 2023 オープンソースの成果が認められた日本の受賞企業は、東京エレクトロン、東京海上日動システムズ/東京海上日動火災保険、日立建機

Red Hatのソリューションを活用してイノベーションを推進し、変化し続ける状況の中で卓越した顧客体験を提供した功績が評価

東京 -

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするレッドハット株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長、三浦 美穂、以下レッドハット)は本日、Red Hat APAC Innovation Awards 2023の日本における受賞企業を発表しました。東京エレクトロン株式会社、東京海上日動システムズ株式会社および東京海上日動火災保険株式会社、日立建機株式会社は、進化し続けるビジネス環境においてRed Hatのソリューションを活用し、イノベーションを促進して顧客体験を向上させたことが評価され、Red Hat Summit: Connectにおいて表彰されました。

Red Hat APAC Innovation Awardsは、「Explore what's next」というテーマを今年も継続し、今日の不確実な情勢に適応するための組織の卓越した業績を称え、アジア太平洋地域13カ国、31社のデジタル・トランスフォーメーションの成功事例を表彰します。オープンソースの力を創造的に活用することで、これらの企業は素晴らしい顧客体験を提供することを最優先に前進しています。揺るぎないレジリエンス、戦略的思考、そして Red Hat のソリューションを独創的に活用し、受賞企業のみなさまは新たなビジネス課題を克服し、お客様のニーズの一歩先の提案をすることができました。

不確実性が高まる中、イノベーションは依然として企業の優先事項です。2023 年版世界のテクノロジー展望によると、競合他社よりも優位に立ち、成功への独自の道を切り拓くため、企業は引き続きイノベーションを強力な差別化要因として位置づけています。

Red Hat APAC Innovation Awardsは、デジタル・トランスフォーメーション、ハイブリッドクラウド基盤、クラウドネイティブ開発、自動化、レジリエンスの5つの部門から構成されています。

日本の受賞企業は下記の通りです。

 

受賞カテゴリー: デジタル・トランスフォーメーション、クラウドネイティブ開発
受賞企業:東京エレクトロン株式会社

東京エレクトロン株式会社(以下、東京エレクトロン)は、世界18の国と地域に83の拠点を持つ、半導体製造装置のリーディングカンパニーです。同社では、生産性や品質のさらなる向上を目指して、新基幹システムのグループ全体への導入を進めています。

その中核となるSAP S/4HANA環境と、さまざまな部門固有のシステムやデータを接続するため、東京エレクトロンではレガシーツールと最新ツールが混在するインターフェイスをマイクロサービスに変換することを模索していました。

東京エレクトロンは、これを解決するための最適なパートナーとしてレッドハットを採用し、Red Hat OpenShiftRed Hat Integrationをベースとした新しい基盤を構築しました。Red Hat OpenShift によるコンテナベースのアーキテクチャを採用することで開発環境と本番環境の両方へのデプロイ時間を短縮し、開発者の生産性を向上しました。また、Red Hat Integrationで接続された新しいシステム環境により、実稼働で100%の可用性を達成しました。同社はさらに、SAPのコア環境と多くのサブシステムとの統合を最適化するために、Red Hat コンサルティングのサポートも採用しました。レッドハット製品のエキスパートと協働でオープンソースによるイノベーションに取り組み、新しい統合の手法とそのシンプルな導入、高度なアーキテクチャの設計を実現しました。

受賞カテゴリー:デジタル・トランスフォーメーション
受賞団企業:東京海上日動システムズ株式会社・東京海上日動火災保険株式会社

東京海上日動システムズ株式会社と東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)は、変革には仮説検証型ビジネスが重要な要素と位置付け、その実現のため全社的にアジャイル手法を採用しました。

自己流ではなく正しいアジャイルを進めるため、レッドハットを外部コーチに採用しました。アジャイルを大規模に拡大するにあたりリソースの問題に直面しましたが、東京海上日動は複数のITベンダーと準委任契約を締結し、ITベンダーと自社内人材との混合でのスクラム開発を行うことで克服しました。これにより、アジャイル開発体制は400名体制に拡大し、常時10件もの新規開発案件に同時に取り組むことができるようになりました。レッドハットのオープンな思想に基づいて設計されたRed Hat Open Innovation Labsによる支援を通じて、経営陣やビジネス部門をも巻き込んだ会社の風土改革が進み、海外の現地企業も含めたグループ全体の変革にも大きく寄与しました。

ビジネスモデルの変革に向けて事業領域の拡大を推進している東京海上日動にとって、アジャイルは取り組みの柱です。これからもアジャイルで高品質なプロダクトをリリースし続け、従来通り保険本業での品質の高いサービスを提供しながら顧客満足度を向上させるのはもちろん、保険の事前・事後領域におけるこれまでにないサービスを提供していく推進力にしていきたいと考えています。

受賞カテゴリー: デジタル・トランスフォーメーション、クラウドネイティブ開発
受賞企業:日立建機株式会社

建設機械の製造・販売・サービスのリーディングカンパニーである日立建機株式会社(以下、日立建機)は、グローバルネットワークを通じて世界中に製品やソリューションを提供しています。ビジネスを拡大するうえで北米を最も重要な市場の一つとして位置付けていますが、現地の要望にいち早く応えるためには日立建機社内の開発プロセス改革と開発期間の短縮という2つの課題に直面しました。同社内には、旧来から最新型のシステムが混在し、データ接続やデータ活用を進めるには多くの課題に抜本的に向き合う必要性があったからです。

そこで、同社はこの課題に対して、ディーラー・ネットワーク・アクセラレーション(DNA)プロジェクトを立ち上げ、オペレーショナル・エクセレンスとディーラー・エクスペリエンスの向上の改善に着手しました。本プロジェクトの推進においては、デジタルを活かして素早く大胆にイノベーションを実現するための、組織的な学習サポートを行うレッドハットのOpen Innovation Labsを採用しました。目標を達成するためには、ビジネス部門が率先してイノベーションを実践することが重要であったため、Open Innovation Labsが提供する組織変革は採用の決め手となりました。

レッドハットのエキスパートは、Open Innovation Labsのテクノロジーとオープンソースの手法により日立建機と現地法人の日立建機アメリカと協働でビジネス課題の解決にあたりました。DNAプロジェクトを通じ、日立建機アメリカとディーラーの業務効率を向上させるソリューションを開発しました。例えば老朽化したレガシーシステムと日立建機アメリカのモダンなシステムとの接続を実現したシングルサインオン機能の導入は、すぐにグローバルに展開され全体で月間300~600時間を削減し、生産性を向上させました。各業務APIの整理を進めることで、データ活用が促進され、ビジネスの拡大に向けた環境を整えることができました。短期間でスクラム開発を進め自己組織化できている点と、ベンチャー企業並みの本格的なアジャイル開発を事業会社ができると証明している点が受賞のポイントになりました。

デジタル・トランスフォーメーション部門は、真のデジタル企業への移行を成功させ、デジタル化によってビジネス上の課題を克服した企業を表彰します。 クラウドネイティブ開発部門は、アジャイル手法の効果的な活用により、顧客にインパクトを与えるビジネスアプリケーションの革新と開発をスピードアップさせた企業を表彰します。

サポートコメント

Red Hat アジア太平洋地域担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー マリエット・アンドリーセ
「ビジネス環境が変化し続ける中、Red Hat APAC Innovation Awards 2023 は、お客様の創造的な成功と功績を称えるものです。今日の組織は、変革のためのイニシアティブに着手するためのデータ分析や、ビジネスを保護するためのクラウドセキュリティなどの機能をますます重視するようになっています。さらに、逼迫するリソースとマンパワーに対処しながら、これらすべてを管理しなければならない。そのため、既存のものに加え新しいテクノロジーを採用する柔軟性と弾力性を与え、成功への独自の道を切り拓くオープンソースは、企業にとってゲームチェンジャーであり続けるのです。」

東京エレクトロン株式会社 IT戦略部 エキスパート 小田原 康利 氏
「当社は半導体製造装置メーカーとして「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」をビジョンとし、最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献することを目指しています。
Red Hatのオープンソーステクノロジーを活用したAPI基盤を構築したことにより,多様なシステム間を高速連携できる仕組みを素早くリリースできるようになりました。引き続き、お客様の環境変化に柔軟に対応できるように、Red Hatとのコラボレーションを継続していきます。」

東京海上日動システムズ株式会社 代表取締役社長 関 邦夫 氏
「Red Hatの支援を受け「本気の」アジャイルに取組んで約4年、仮説検証型のビジネス提供や「Be アジャイル」な企業文化もかなり根付いてきたと感じています。アジャイル組織の拡大に伴い、より大勢の、そして専門性高い要員が求められるようになっており、パートナー会社様との関係も変化しています。パートナー会社の皆様とOne Teamで新しい取組を進めることが重要だと考えており、パートナー会社様との共同での人材育成(新人育成、専門性人材の育成プログラム等)や、プロダクトオーナー・各社のエンジニアによる日々のオープンなコミュニケーションを実施しています。また、パートナー各社が参画するマネジメント層の会議を毎週開催し、スクラムチーム内で解決できない課題を速やかに解決することで、スクラムチームの自立性・自律性を推進しています。今後も、組織・文化を変革し続けるために、新しい時代に求められる新しい取り組みにチャレンジし続けます。」

日立建機株式会社 グローバル営業本部DNA開発推進部長 猪瀬 聡志 氏
「私たちがITの専門家ではなく営業部門としてアジャイル活動をすることに大きな不安がありましたが、レッドハットの専門知識と献身的なサポートに感銘を受け、特例の臨時予算を獲得したことがきっかけでした。2年前に予算ゼロ、人員5名でスタートし、現在は43名の専任部隊へと拡大しました。過去2年間で米国チームと64回、DX部門と77回協議を重ね、昨年度は35回のリリースを成功させました。これはステアリングコミッティの8名の役員の強いリーダーシップと事業部門の壁を越えた関係者の協力の結果です。中期計画 "BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ" で掲げる顧客に寄り添う革新的な解決策を提供する「Solution 3.0」へ向け、小さいながらも非常に意味深い進歩であり、今回の高評価を非常に誇りに思います。」

 

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本件に関するお問い合わせ

  • レッドハット株式会社 広報担当 pr-jp@redhat.com TEL:03-4590-7472
  • Red Hatについて
  • エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。



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