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AnsibleFest 2022 で、Red Hat は Ansible 検証済みコンテンツの公開を発表しました。この新しいイニシアチブは、インフラストラクチャ、ネットワーキング、クラウド、セキュリティ、エッジのユースケースで、エキスパートが主導するアプローチを使用してプラットフォーム・ポートフォリオを自動化することに焦点を当てています。

Ansible 検証済みコンテンツは、一般的なユースケースの多くに対応するための、事前構築済みの YAML コンテンツ (Playbook やロールなど) を含む新しいコレクションです。Ansible 検証済みコンテンツはそのまま使用することも、スキルを向上させるための教材として利用することもできます。自社で自動化を行えるようになるための、信頼できる出発点となります。使用し、カスタマイズし、学びに役立てましょう。 


熟練した自動化アーキテクトでも、自動化の取り組みを始めたばかりの初心者でも、成功するために必要なものが 2 つあります。

  • IT ポートフォリオ内のプラットフォームをサポートする、充実した信頼できる統合のエコシステム
  • そのようなプラットフォーム上で信頼できる自動化の構築を開始するための、対象分野の専門知識

Red Hat Ansible Certified Content は 3 年以上にわたってこの最初のニーズに応えてきました。そしてこの比較的短い期間で、このプログラムは急速に成長してきました。それをサポートするエコシステムに参加する最高水準のパートナーの数も増え続けています。Red Hat はそれらのパートナーと協力し、数百のプラットフォームとの統合を Ansible モジュールの形式で構築およびサポートしています。 

しかし、自動化の対象にアクセスできるだけでは、ニーズの半分を満たしたにすぎません。Red Hat Ansible Automation Platform 2.3 のリリースとともに、Ansible 検証済みコンテンツにアクセスできるようになりました。これを通して Red Hat は、対象分野の専門知識を実行可能な運用へと変換し、統合されたソリューションの上に信頼性の高い自動化を構築するためのベストプラクティスを提供します。Ansible 検証済みコンテンツは、何千もの顧客と連携してプロダクション環境での長年の経験を持つエキスパートのガイダンスに従ってタスクを自動化したいと考えるお客様に、その方法を提示することを目的としています。

Ansible 検証済みコンテンツが重要である理由

大規模組織における自動化の実践は、絶えず新しい局面を迎えています。

  1. これまで自動化を行ったことのない新しい領域に取り組む (「物理ネットワーク・インフラストラクチャを自動化する必要がある」など)
  2. よく知っている領域ではあるが、常に新しいプラットフォームを使用して拡張していく必要がある (「ハイブリッドクラウド自動化を拡張して Microsoft Azure も対象とする必要がある」など)
  3. 部門を横断するワークフローを初めて作成する (「ServiceNow ITSM チケットを使用してセキュリティデバイスの変更を自動化する必要がある」など)

自動化の取り組みがどの段階にあっても、以下からメリットを得ることができます。

  • 最初に注力し基盤とするべきユースケースの選び方に関するエキスパートの意見を反映した、Ansible 検証済みコンテンツのアプローチ
  • 特定のプラットフォームに適したアプローチに関する、各分野のエキスパートによるガイダンス
  • IT インフラストラクチャのさまざまな部分で一貫して相互運用可能な構成要素として Ansible 検証済みコンテンツを使用できる

さらに重要なのは、これらの価値が Ansible の言語を通じて提供されることです。可読性が高く、理解しやすいので、Ansible 検証済みコンテンツは優れた学習資料となり、組織は信頼できるソースを使用して専門知識を構築できます。

「検証済み」とは

検証済みコンテンツは Red Hat の検証済みパターンイニシアチブから生まれ、これを補完するものです。

Red Hat 自動化コミュニティ・オブ・プラクティスなどの専門家によって厳選されるので、選ばれた Ansible コンテンツは次の要件を満たすものになります。

  • ユースケースは導入に成功したお客様の実例をもとに作成される
  • コンテンツの作成者は、信頼できる有資格エキスパートである
  • コンテンツ自体は、Red Hat のエンジニアリングチームが発行する最新のベストプラクティスとガイドラインに準拠している
  • Ansible 検証済みコンテンツは、サポートされているバージョンの Ansible Automation Platform に対してテスト済みであり、本番環境に対応している

Ansible Automation Platform はキュレーションプロセスの最後に位置し、お客様が組織内で Ansible 検証済みコンテンツにアクセスして使用するための信頼できる配信システムとして機能します。

Ansible 検証済みコンテンツとは

現在、Ansible 検証済みコンテンツは Red Hat が作成しています。しかし将来的にはパートナーがエッジ、ハイブリッドクラウド、インフラストラクチャ、ネットワーク、およびセキュリティのユースケースのための基礎的な自動化を提供する予定です。 

これらの各領域で、ユースケースは Day 0 (「このアプリケーションを稼働させるにはどのようなアーキテクチャが必要か」など) から Day 2 (「どうすればこれらのシステムを維持し、ルーチンタスクを実行できるか」など) までのあらゆる段階にわたります。

同様に、特定のプラットフォームの運用に重点を置くもの (「RHEL ワークロードで SSH を設定する方法」など) から特定のプラットフォームに依存しないもの (「複数ベンダーのファイアウォールを使用している場合、組織全体でファイアウォールルールをどのように維持するか」など) まで、幅広いコンテンツがそろっています。

あらゆる組織の固有の運用ニーズをカバーすることは不可能ですが、IT チームが取り組みを進めるにあたって役立つ Ansible 検証済みコンテンツが見つかると確信しています。

Ansible 検証済みコンテンツの形式

Red Hat は 2019 年に、Ansible コンテンツ (Playbook、ロール、モジュール、プラグイン、テスト、ドキュメント) をパッケージ化、配布、使用するための新たな基準として Ansible Content Collections を導入しました。Ansible 検証済みコンテンツは、YAML ベースのコンテンツのコレクション (ロールや Playbook など) として配信されます。Ansible 検証済みコンテンツは、Red Hat Ansible Certified Content Collections を補完し、発展させたものです。

Ansible 検証済みコンテンツの入手経路

Ansible Automation Platform 2.3 はサプライチェーンのセキュリティの向上に重点を置いており、この取り組みをサポートするために、Ansible 検証済みコンテンツはまず、プライベート Automation Hub 内でプリロード済みのオプションとして提供されます。将来的には Ansible Automation Hub (console.redhat.com) で提供する予定です。Ansible 検証済みコンテンツは、Red Hat とパートナーがさらに多くのコンテンツを作成し、ますます充実していきます。

Red Hat と Ansible コンテンツ・エコシステム・チームは、この新しいツールと、それを通じてお客様に機会を提供できることを大いに喜んでいます。いつものお願いですが、Ansible 検証済みコンテンツの未来を形作るためには、お客様、自動化担当者、ユーザーとしての皆様のご意見が欠かせません。ぜひ Ansible Automation Platform 2.3 を実際に体験してください。そしてプライベート Automation Hub をインストールして、Ansible 検証済みコンテンツをお試しください。

その他の資料


執筆者紹介

Massimo Ferrari is Management Strategy Director at Red Hat, responsible for developing strategic product direction for Ansible Automation Platform as well as fostering its partner ecosystem.

Prior to Red Hat, Ferrari worked as an industry analyst and consultant for over a decade, helping global organizations, including Fortune 1000 and Fortune Global 2000 companies. He has directed numerous international projects, from infrastructure assessment to product and partner selection.

Ferrari has held different IT management roles throughout his career and has expertise in architecting and managing complex IT projects, including datacenter consolidation through virtualization technologies, organization-wide security assessments and private and hybrid cloud projects. He is based in London.

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