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2013 年の国連 (UN) での講演において、当時 16 才のパキスタン人活動家でありピース・メッセンジャーの Malala Yousafzai 氏は、次のように述べています。「私が声を上げるのは、声を出せるからではありません。声を上げられない人々の意見を届けるためです。私たちの半数が抑圧されていたのでは、全員が成功することはできません」 

Yousafzai 氏が「私たちの半数」と言ったのは女性のことです。世界の人口の半数を占めながらも、世界中で機会や資産に関する不平等の障壁に面しています。国際女性デーを迎えた今日、すべての Red Hat 社員、パートナー、同業者には、男女平等および多様性に対するサポートを共有できる機会に注目していただきたいと思います。 

組織的な問題にインターセクショナリティ重視のアプローチを採用

テクノロジー業界においては、女性の割合が少なく、職場で性差に基づく問題を突きつけられていることは公然たる事実です。身体障害があり、ノンクリスチャンの名前を持つ有色アジア人女性として、子どもの頃から、社会人になってからも、さまざまな形で不公平を経験し、目の当たりにしてきました。 

私のアイデンティティは、多数の Red Hat の社員と同様に、さまざまな面が組み合わさってできています。これはインターセクショナリテイと呼ばれ、職場で女性の機会均等を実践していくうえで重要な事項です。さらに、これらの課題が他の種類の偏見、差別、不公平と重なっていることもまた、理解しておく必要があります。   

Red Hat などの組織は、この点に関してテクノロジー業界を改善する姿勢ができています。そして変革はいつも内側から始まります。インターセクショナリティの視点から企業システムを考察すると、特定の選ばれたグループだけでなく、誰もが包含される全体的なソリューションの構築に役立ちます。最も日の当たらない立場にある人々を支えるプログラムとプロセスを設計することで、異なるアイデンティティ、視点、背景を持つ人々が本来の自分でありながら快適に過ごせる、インクルーシブなコラボレーションの文化を創り出せます。 

このインクルーシブなコラボレーションの文化は、ビジネスが要求するペースでイノベーションを実行して適応するあらゆる企業 (とりわけテクノロジー企業) にとって必要です。これは Red Hat の現行のダイバーシティ、エクイティ、およびインクルージョン (DEI) 戦略を推進する主な要因の 1 つであり、今後下すビジネス上の意思決定に影響を与え続けます。

機会均等の実践とは具体的に何をすることなのか

私自身、不公平に直面してきましたが、逆境にある他の大勢の人々と同じように、そこから強い反発心が芽生え、このような不公平を解消しようと思い立ちました。事実、私はキャリアをかけてそれに取り組んでいます。心強いのは、Red Hat などの組織には同じように強い意志で取り組んでいる人々がいて、女性を自認する人々の機会均等を次のような方法で推進していることです。

  • 同一賃金の確約:給与調整、同一賃金判定をサポートするデータへのアクセスの増加、マネージャーが同一賃金の全般的な慣行をしっかり理解するためのトレーニング、賃金の透明性を向上させるためのロードマップなどを含む取り組み。  
  • 以下のような人材プログラムの導入
    • ポテンシャルの高い多様な人材の認知度、支援、ネットワークを育成するためのスポンサーシッププログラム
    • スキル開発および終身雇用を超えたキャリア転換の平等な機会を提供するための、内部ギグワークプログラム
    • 有意義なつながりの構築と、社員による熱意、才能、スキルの評価と成長の支援を目的とした、メンタリングとキャリア指導プログラム
  • 子どもを持つ女性を支援する、以下のような福利厚生の提供
    • 有給育児休業
    • 子どもおよび高齢者のケア支援の利用、サマーキャンプの払い戻し
    • 柔軟な働き方

Red Hat の取り組みには、この目的に向けた Red Hat の個々の社員の献身がよく表れています。Red Hat の Women’s Leadership コミュニティは、Red Hat の社員有志が主催する従業員リソースグループの 1 つですが、職場および世界での女性の地位向上に 10 年近く取り組んでいます。今では DEI リーダーと組織が正式に編成され、将来に向かってこの取り組みをさらに強化できるようになりました。

これからの道のり

不平等の原因がジェンダー、人種、性別、宗教、障害のどれであっても、DEI の仕事に終わりはありません。私たちの仕事は、古いシステムのアップデートだけではありません。新しいシステムを構築しなければなりません。こうした変革は一夜にして起こせるものではありません。1 つの会話、1 つのプロセス、1 つのチームから、地道に積み重ねていく必要があります。

この取り組みを続けていく中で、機会均等の実践に関して Red Hat の社員および業界の同業者にアドバイスとしてお伝えしたいのは、好奇心を持つということです。なぜ物事がこのようになっているかを知りたいという好奇心が少しでもあれば、チャンスを突き止めやすくなり、私たちの価値観とはそぐわない要素を変えていこうという意識が生まれます。私たち全員が好奇心を持てば、無限の可能性を実現できるでしょう。 


執筆者紹介

Shuchi Sharma is Vice President and Chief Diversity, Equity, and Inclusion Officer at Red Hat. Sharma has a breadth of global business management experience, visionary leadership skills, and diversity, equity, and inclusion (DEI) expertise. She has more than 17 years of experience advancing women and underrepresented minorities within the technology and health care industries.

Prior to joining Red Hat, Sharma served as Global Vice President of Diversity and Inclusion at SAP Earlier in her tenure with SAP, she led the company’s business consulting practice across a large portion of Europe, the Middle East, and Africa (EMEA), built a global marketing function for business consulting, and led the strategic sales advisory business for SAP’s HR cloud software business in North America. Previously, she led Europe-based consulting practices for SAS. Sharma started her career in management consulting at Ernst & Young LLP, based in Washington, DC.

Sharma was named one of the Financial Times’ 50 Future Leaders, and Diversity MBA Journal’s Top 100 Executive Leaders and Top 100 Women of Influence. She also serves on the boards of the Frederick Health Medical System and the Maryland Legislative Agenda for Women.

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