フィードを購読する

1 年前、私は Red Hat Summit のステージに立ち、私たちの業界が AI の時代に突入していることについて話しました。ChatGPT のような生成 AI テクノロジーの可能性が世界に認められるようになってから、まだ数カ月しか経っていませんでした。

それ以来、生成 AI の可能性についての推測は、経営陣の集まる会議室やエンジニアのコミュニティで急速に高まり、同じことが家族や友人との食事のテーブルでも起きています。本当に従業員の生産性を 10 倍に高めることができるのか?1 兆個のパラメータは多いのか?統計学の授業でモデルにチャートを作らせてもいいものか?

私自身、生成 AI の実験で夜遅くにかなりの時間を費やした日が何日かありました。ノートパソコンにモデルをダウンロードし、それを使ってコードを書き、E メールを作成し、レポートをまとめました。自分の好奇心と世界の情報、そしてあらゆる状況において「専門知識」を提供してくれる AI アシスタントが組み合わさると何ができるのか。その興奮については、10 段階評価の 8 としましょう。

しかし、初期の試行錯誤を振り返ってみると、何かが欠けていたことに気づきました。そこで私は自分自身に次のような質問を投げかけました。

  • 「なぜこの AI をもっとパーソナライズできないのか? 」
  • 「この AI をどこで活用すれば、もっとチームの役に立てるか?」
  • 「オープンソースソフトウェアのように、コミュニティがこの AI を改善できるとしたら?」
  • 「AI はオープンソースのパターンを進むのか?それともプロプライエタリーに戻るのか?」

ビジネスリーダーとして、私は各チームから最大限の成果を引き出すことが期待されています。 課題は、私たちがダイナミックな組織であり、社員が世界中に分散しているということです。 さまざまな専門知識が異なる場所で同時に必要とされることもあります。社員のスキルと知識をどのように活用すれば、ビジネスのあらゆる側面で可能な限りの改善を図ることができるのだろうか?そこで私は、Red Hat の社員たちに次のメッセージを送って反応を見ることにしました。

Red Hat には自社ビジネスの特殊な部分に精通したスキルと知識を持つ専門家がいます。そして、何十人または何千人というその専門家のクローンが自分のチームにいることを願うマネージャーがいます。理想的な世界とは、ある個人のスキルと知識を、より広範なチームに簡単に伝える方法がある世界です。そうすれば、ビジネスはもっと速く成長できます。新入社員のオンボーディングの複雑さが軽減されます。また、誰もが専門知識の基礎を活用できるため、それを基に新しいアイデアが育まれます。さらに、その専門家は休暇をもう少し楽しむことができるかもしれません。ビーチでのんびりしている間に電話が鳴らないことを知っているからです。

Red Hat の経営陣は、これが実現すれば Red Hat だけでなく、すべてのお客様のビジネスも大幅に改善できる可能性があると考えました。また、これを共同で行うことができれば、パートナーも彼らの専門知識を提供できるようになります。

今週開催される Red Hat Summit の準備をしている今、その可能性が現実のものになったことをお伝えできる喜びを感じています。 私たちは IBM と協力し、AI にオープンソースのアプローチを取り入れる次のステップに進んでいます。この 2 週間で私たちは、生成 AI の LLM の世界に真のオープンな体験をもたらすと考えられる 2 つの重要な要素をオープンソース化しました。

まず、Red Hat と IBM は Granite 言語とコードアシスタント LLM をオープンソース化しました。 これは Meta と Mistral がオープンモデルを市場に投入するために行ってきた取り組みをその土台としています。私たちはさらに一歩進めて、モデルをオープンにする(オープンソース・ライセンス) だけでなく、重み付けやデータソースもオープンにしています。

次に行ったのが、InstructLab のオープンソース化です。 InstructLab は、大規模な言語モデル向けの新しい合成データに基づくアライメントチューニングを使用しています。InstructLab を使用すれば、データサイエンティストだけでなく、誰もがモデルのトレーニングやチューニングを支援できる専門家になることができます。

この 2 つの成果を合わせると、LLM に人間と同じように学習する方法を教えることができるコミュニティが誕生します。

オープンモデルをコミュニティに持ち込むことで、個人、チーム、企業にとって価値のあるモデルをオープンな環境で共同開発できるようにします。一連のオープンツールを使えば誰もがモデルに貢献し、新しい方法でチューニングできます。この方法でこれらのモデルを実現することで、特定分野の専門知識による可能性を最大限に引き出すことができるのです。

これらの 2 つの発表が、オープンなコミュニティ、オープンな貢献、オープンなアイデアの豊かさを AI にもたらす次のステップになると確信しています。Red Hat は、お客様がご自身の業務、チームおよびビジネスに役立つ AI の創造に積極的に参加するための障壁を減らすように取り組んでおり、ビジネス向けの次世代 AI がすぐそこに来ていると考えています。

Red Hat を代表して、オープンソースのあらゆる基盤を AI に活用できるよう、皆さまとのコラボレーションを楽しみにしています。 さあ、何ができるか見てみましょう!  


執筆者紹介

Matt Hicks was named President and Chief Executive Officer of Red Hat in July 2022. In his previous role, he was Executive Vice President of Products and Technologies where he was responsible for product engineering for much of the company’s portfolio, including Red Hat® OpenShift® and Red Hat Enterprise Linux®. He is one of the founding members of the OpenShift team and has been at the forefront of cloud computing ever since.

Prior to joining Red Hat 16 years ago, Hicks served in various roles spanning computer engineering, IT, and consulting. He has worked with Linux and open source for more than 25 years, and his breadth of experience has helped him solve customer and business problems across all areas of IT.

Read full bio
UI_Icon-Red_Hat-Close-A-Black-RGB

チャンネル別に見る

automation icon

自動化

テクノロジー、チームおよび環境に関する IT 自動化の最新情報

AI icon

AI (人工知能)

お客様が AI ワークロードをどこでも自由に実行することを可能にするプラットフォームについてのアップデート

open hybrid cloud icon

オープン・ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドで柔軟に未来を築く方法をご確認ください。

security icon

セキュリティ

環境やテクノロジー全体に及ぶリスクを軽減する方法に関する最新情報

edge icon

エッジコンピューティング

エッジでの運用を単純化するプラットフォームのアップデート

Infrastructure icon

インフラストラクチャ

世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームの最新情報

application development icon

アプリケーション

アプリケーションの最も困難な課題に対する Red Hat ソリューションの詳細

Original series icon

オリジナル番組

エンタープライズ向けテクノロジーのメーカーやリーダーによるストーリー