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改めて、2014年はRed Hatにとって素晴らしい年でした。先日、我々は2015会計年度第3四半期の業績を発表し、それとともに51四半期(12年以上)連続の売上増を祝いました。Red Hatを新たな高みに登らせる手助けをしてくれた全世界のRed Hatのお客様、パートナー、オープンソースのコントリビュータ、および関係者の方々に感謝します。2014年はRed Hatにとって夢のような年でしたが、オープンソースにとっても特別な一年となりました。

今日、IT分野の主要企業でオープンソースを採用していない企業の名前を挙げるのはほとんど不可能です。ほんの数年前には、多くの人がそんな日は決して来ないと主張していました。今や有名になった「ハロウィン文書」、Microsoft元CEOのスティーブ・バルマー氏が「Linuxは」と表現した話、それにMicrosoft元CEOのビル・ゲイツ氏が「確かにLinuxは教育や趣味の市場ではライバルだと思うが、商用市場では Windowsと競合するような重要性があるとは思えない」とコメントしたことを覚えている人も多いはずです。

今年、Microsoft現CEOのサトヤ・ナデラ氏が、公式ステートメントとして「MicrosoftはLinuxを愛している」と表明したことは、オープンソースにとって大きなマイルストーンでした。コミュニティ主導のイノベーションが持つ優れた力を認めたMicrosoftに(そしてその他の人々に)声援を送りたいと思います。

長年にわたり、我々は「オープンソースは安全なのか?」「セキュリティは大丈夫か?」「信頼性はあるのか?」という質問に取り組んできました。オープンソースソリューションはこれらすべてを満たし、さらにそれ以上のものを提供します。オープンソースソリューションはエンタープライズ各社に広く採用されており、Red Hatだけでもフォーチュン500社の90%以上を顧客としています。現在では、ほぼすべての主要テクノロジー企業がオープンソースを採用しており、CEOやCIOのレベルでそうした質問を耳にすることもなくなりました。

お客様は、当初は低コストでベンダーロックインがないという点を評価してオープンソースを採用していましたが、イノベーションの促進と柔軟性の向上にもつながることに気付きました。オープンソースは今では広く普及し、様々なテクノロジー分野にわたって既存のプロプライエタリ製品への挑戦を続けています。オープンソースは、単に主流となっただけでなく、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなどの領域で(そしてさらにこの先も)、真にイノベーションを先導していきます。

新しい年を迎えるに当たり、私はテクノロジーの変化の速さについて考えずにはいられません。テクノロジーを迅速に提供するためには、単にテクノロジーだけでは不十分で、人とカルチャーが重要になります。今やお客様はRed Hatに対して、現在のテクノロジーの波に乗る手助けだけでなく、組織やカルチャーに関するITの変革についての手助けも期待しています。我々はその役割を喜んで引き受けます。

こうした理由から、エグゼクティブの方々はこれまで以上に(Red Hatを含む)主要テクノロジー企業を、ベンダーとしてではなく「パートナー」として見るようになっています。我々がそうした「トラステッド・アドバイザー」としての立場を獲得したことを誇りに思います。

たとえば、最近のヨーロッパ旅行でお会いしたCIOの皆さんは、テクノロジーやオープンソースについての細かい話よりも、DevOpsやカルチャーについて話す人が増えていました。テクノロジーの重要性は変わりませんが、これらのエグゼクティブの方々は、機能を迅速に実現するためにはオペレーションの方法を変える必要があることに気付いているのです。OpenShift関連の話をしていると、「開発者とオペレーション担当者は別々のグループにすべきだろうか、それとも同じ場所に配置すべきだろうか?」とか「同じ上司の下に配属する必要があるだろうか?」といった質問が自然に出てくるようになりました。

今後を考えると、2015年がどうなるか予想するのが怖いくらいです。昨年、私は「2014年はクラウド、モバイル、およびビッグデータの採用にとって重要な年になる」と予言し、実際その通りになりました。しかし、これほどの速度で採用が進むと予想した人がいたかどうかは疑問で、しかも加速が衰える様子は見えず、むしろペースが上がっています。

たとえば、OpenStackに対する関心と採用がどれほど急速に増大したか考えてみてください。私は最近、OpenStack市場が2016年には17億ドル規模、2018年には33億ドル規模になると予想した451 Researchの調査報告を読みました。これは、今年前半の市場規模の4倍に相当します。最近、中国とインドのお客様を訪問した際、私はOpenStackの評価を行っている企業の多さに興奮を覚えました。ある大手金融機関のお客様は、コアバンキングシステムをOpenStack上に構築する予定だと教えてくれました。そうした話は、次第に普通のことになってきています。OpenStackは、将来のクラウドコンピューティングとしての地歩を固めており、コミュニティとエンタープライズの両面でその未来を形作っているRed Hatの主導的役割に、私は誇りを感じています。

OpenStackは、ちょうどオペレーティングシステムにおけるLinuxのように、オープンソースクラウドインフラテクノロジーの事実上の標準として台頭しています。従来のITおよび従来のITインフラの現状に対する深い不満を直接反映する形で、OpenStackへの関心が高まっています。CIOは、もはやプロプライエタリ環境だけに頼っているわけにはいきません。特にIT部門は業務に必要な能力と機能の実現に対するプレッシャーを感じているため、こうした新時代の需要によって、よりオープンで柔軟性の高い環境が要求されます。

世界的規模で、これらのオープンで柔軟性の高い環境に移行するCIOが増え続けています。私は最近(従来オープンソース採用に関して最も保守的な市場の1つと考えられてきた)韓国を訪問しましたが、UNIXからLinuxへの移行を積極的に進めている企業の数に興奮を覚えました。事実、韓国のオープンソースコミュニティの規模は、それまでの私の予想を上回っていました。滞在中、私は数百人の参加者を招いて夕食会を主催しましたが、その多くはOpenStackを始めとする主要オープンソースプロジェクトの積極的なコントリビュータでした。最も保守的とされる市場でさえこうした変化が見られることは力強い限りです。

OpenStackの他にも、Linuxコンテナー関連の勢いと企業からの関心を目の当たりにするのは魅惑的な体験でした。コンテナー技術は、アプリケーションの開発と運用を大幅にスピードアップさせるとともに、アプリケーションポートフォリオの運用管理を大幅に容易にする可能性を秘めています。障害を取り除くことによって、より多くのアプリケーションが開発され運用されることになります。これは開発担当者と運用担当者の両方にとって素晴らしいことです。コンテナー関連の可能性は、ほとんど無限だと思います。

Docker、Kubernetes、Project Atomicなどのプロジェクトに関するコミュニティの作業から、エンタープライズによるOpenShift、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host、およびRed Hat Enterprise Linuxの採用の実現まで、Red Hatはこの分野における初期のリーダーとして頭角を現してきました。コンテナーに関する我々の努力とリーダーシップは、新年になっても続くとお考えください。

2015年を迎えても、以上で述べた変化はすべて継続すると思います。採用と進歩の速度は、引き続き我々全員を驚かせることになるでしょう。IT組織はカルチャーとオペレーションの変革を続行し、迅速で摩擦のない新しいスタイルのITを採用していくと思われます。オープンソースはさらにその基準を高め続け、Red Hatも同様に対応しています。

私は、お客様やパートナーの皆さんとともにこれらの困難とチャンスに立ち向かい、世界をより良く変化させるために役立つテクノロジーソリューションの実現に、引き続き全力で取り組むことを楽しみにしています。

さようなら2014年、そして繁栄の2015年に乾杯!


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