注:この記事は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) アプリケーションストリームリポジトリで Ansible Core を使用しているお客様に該当する情報であり、Red Hat Ansible Automation Platform を使用しているお客様には該当しません。
このブログで言及されているすべての計画はロードマップにすぎず、変更される可能性があります。
自動化はオペレーティングシステム管理の重要な側面です。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) に自動化に関連する機能が多く含まれているのはそのためです。RHEL で提供されるこの自動化は、RHEL 8 および RHEL 9 のアプリケーションストリームのリポジトリで提供される Ansible Core パッケージ (ansible-core) によって有効にされます。
以前の RHEL 8 および RHEL 9 のマイナーリリースでは、各マイナーリリースごとに新しいバージョンの Ansible Core が導入されました。このリリース戦略は RHEL 8 でも継続される予定です (RHEL 8 の最終マイナーリリースとなる予定の 8.10 まで)。ただし、RHEL 9.3 以降、RHEL 9 では Ansible Core の新しいバージョンをリリースする予定はありません。代わりに、RHEL 9 の残りのライフサイクルで Ansible Core 2.14 をサポートする予定です。詳細は続きをご覧ください。
RHEL での Ansible Core の使用用途
Ansible Core は RHEL に含まれており、Red Hat が提供する自動化コンテンツを有効にします。詳細については、「RHEL 9 および RHEL 8.6 以降の AppStream リポジトリに含まれる Ansible Core パッケージのサポート範囲 」をご参照ください。RHEL のお客様向けにサポートされている自動化コンテンツの例としては、RHEL システムロール、Identity Management の自動化、Insights 修復 Playbook などがあります。
エンドツーエンドの自動化プラットフォームをお探しの場合は、 Red Hat Ansible Automation Platform をお勧めします。
RHEL における Ansible Core の以前のリリース戦略
Ansible Core は、RHEL 8.6 および 9.0 リリースの際に RHEL 8 および RHEL 9 のアプリケーションストリームのリポジトリに最初に導入され、RHEL マイナーリリースのたびに更新されてきました。
- RHEL 8.6 / 9.0 (2022 年 5 月) Ansible Core 2.12 を含む
- RHEL 8.7 / 9.1 (2022 年 11 月) Ansible Core 2.13 を含む
- RHEL 8.8 / 9.2 (2023 年 5 月) Ansible Core 2.14 を含む
これらの Ansible Core リリースの中には、新しいバージョンの Python への依存関係も導入されているものもあります。たとえば、RHEL 8.8/9.2 の Ansible Core 2.14 では Python 3.11 への依存関係が導入されています。
今後の計画の更新
RHEL、Ansible Core、Python の間でサポートライフサイクルを調整することが課題であるため、RHEL 9.3 以降の Ansible Core に関連する変更を計画しており、RHEL ライフサイクルのさまざまな段階で Ansible Core をより適切にサポートできるようにします。
ただし、RHEL 8 では何も変更される予定はありません。RHEL 8.9 には新しいバージョンの Ansible Core (2.15) が含まれる予定で、RHEL 8.10 (RHEL 8 の最終マイナーリリース) には Ansible Core 2.16 が含まれる予定です。
RHEL 9.3 以降には新しい Ansible Core リリースは予定されておらず、RHEL 9 の残りのライフサイクルでサポートされる予定の Ansible Core 2.14 を引き続き利用します。
この結果、RHEL 8.9 には RHEL 9.3 で利用可能なものよりも新しいバージョンの Ansible Core が提供されます。ただし、RHEL 8 と RHEL 9 でサポートされているすべての自動化コンテンツは、それぞれのリリースに含まれているバージョンの Ansible Core でサポートされます。
RHEL 9.2 と 9.3 の両方に Ansible Core 2.14 が含まれていますが、これら 2 つのリリース間で Python の依存関係が変化していることにもお気づきになるかもしれません。RHEL 9.2 では Python 3.11 に依存する Ansible Core 2.14 が利用されていましたが、RHEL 9.3 には Python 3.9 に依存する Ansible Core 2.14 があります。これについては、Python 3.9 は RHEL 9 のライフサイクルにわたってサポートされる RHEL 9 システムの Python であることから変更があります。 Ansible Core がインストールされているシステムでは、システムで他の目的のために Python 3.11 を使用していない場合は、システムを RHEL 9.3 に更新した後にこれを削除できるようになります。
まとめ
この記事では、RHEL 9.3 以降の Ansible Core ライフサイクルに予定されている変更点について説明しました。ただし、RHEL 8 および RHEL 9 でサポートされている自動化コンテンツは、それぞれのリリースに含まれる Ansible Core のバージョンで引き続きサポートされることに注意してください。RHEL システムロールについて詳しくは、 Red Hat Enterprise Linux システムロールについてのページをご覧ください。
執筆者紹介
Brian Smith is a Product Manager at Red Hat focused on RHEL automation and management. He has been at Red Hat since 2018, previously working with Public Sector customers as a Technical Account Manager (TAM).
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