Red Hat がもたらすビジネス価値
はじめに
Red Hat の 2023 年版世界のテクノロジー展望に関するレポートによると、イノベーションとセキュリティは依然としてデジタル・トランスフォーメーションの成功にとって重要な指針および基準となっています。1 多くの組織は、顧客に対するソフトウェアおよびサービスの提供を迅速化する必要がある一方、安定性の維持とセキュリティの強化にも対応しなければなりません。
Red Hat と連携することで、そのニーズに対応できます。Red Hat と提携する理由として、お客様は、セキュリティと信頼性、プロアクティブなサポート、ハイブリッドクラウドとオープンソース1・テクノロジーを中心としたイノベーションを挙げています。Red Hat をご利用いただくと、エンタープライズ対応のオープンソースソフトウェアと、お客様のビジネスにソリューションをもたらすために必要なリソースにアクセスすることができます。
Red Hat の価値
Red Hat と連携するメリットとして、この資料では、Red Hat が提供する以下のものについて概要を説明します。
- テクノロジー
- セキュリティとソフトウェア・サプライチェーンのセキュリティ
- 革新的な製品ポートフォリオ
- ライフサイクルを通じたサポート
- 人材
- オープンソースのリーダー
- 柔軟な購入方法と使用方法
- プロセス
- パートナーエコシステム
- サポートと専門知識
テクノロジー
セキュリティとソフトウェア・サプライチェーンのセキュリティ
当社は 30 年以上にわたり、コミュニティ・オープンソースソフトウェアの開発、キュレーション、テスト、強化に携わっており、実証済みの文書化されたサプライチェーン・プラクティスに基づいて、エンタープライズ対応の認定ソリューションを提供しています。また、セキュリティはデプロイ後も必要であることから、当社には Red Hat® 製品セキュリティチームがあります。このエンジニアチームは、当社のすべての製品に対する脅威と脆弱性を毎日継続的に分析し、アドバイスのほか、エンタープライズ・ソフトウェアで安全に使用できるセキュリティパッチを提供します。
ソフトウェア・サプライチェーン攻撃は、発生するかどうかではなく、いつ発生するかの問題になっています。ランサムウェアによる被害は、データ漏洩による全体的なダウンタイムや復旧コストに比べれば、軽微なものになる場合もあります。Red Hat を使用すると、信頼あるソフトウェア・サプライチェーンのためのコーディング、構築、監視をあらゆる環境で一貫して行うことができ、ソフトウェア開発ライフサイクルのあらゆる段階で自動化されたセキュリティガードレールによって脆弱性を監査し、早期に対処することができます。
Red Hat Insights はプラットフォームとアプリケーションを継続的に分析して、リスクの予測、アクションの推奨、コストの追跡を行い、ハイブリッドクラウド環境の適正な管理を支援します。Insights は、Red Hat Enterprise Linux®、Red Hat OpenShift®、Red Hat Ansible® Automation Platform を購入すると、ほとんどのインスタンスに含まれています。
パートナーとしての Red Hat について、最も評価する点は何ですか?
- 44%:安全性と信頼性
- 34%:カスタマーサポート
- 30%:オープンソースへのコミットメント1
革新的な製品ポートフォリオ
当社のオープン・ハイブリッドクラウド戦略は、当社の全製品ポートフォリオを網羅しており、お客様は既存のハイブリッド IT を使用しながら、将来のテクノロジーの進歩に備えることができます。Red Hat の製品およびサービスの広範なポートフォリオを使用し、当社のパートナーと連携することで、次のことが可能になります。
- 任意のフットプリントであらゆるアプリケーションまたはワークロードを一貫して実行する
- 開発者がアプリケーションを効率的に構築、デプロイ、管理できるようにする
- プロセスを単純化し、自動化し、保護する
当社のオープン・ハイブリッドクラウド戦略は、Red Hat Enterprise Linux の技術的基盤に基づいており、当社が Red Hat OpenShift および Red Hat Ansible Automation Platform を通じて行ってきた既存の投資とプロセスはこの基盤上で拡張されます。
当社のお客様は、製品ロードマップをご確認いただき、当社の製品の方向性に関連するフィードバックをお寄せいただくこともできます。また、当社のサポートチームは、製品のテストやリリース方法の決定にあたり、当社の製品を構築するエンジニアチームと直接連携します。当社は、チャットセッションやソーシャルメディアその他のソースから受け取るフィードバックに真摯に対応しております。当社では、このような情報を集約してエンジニアに引き継ぎ、バグを報告するなどして、お客様のニーズに合わせて製品を改善するように努めています。毎回のメジャーリリースとマイナーリリースで、最も一般的な課題に対処するために製品を更新しています。
ライフサイクルを通じたサポート
当社は、Red Hat 製品のライフサイクルの定義とサポートを行い、セキュリティパッチをすぐにリリースし、更新とリリースを定期的かつ予測可能なスケジュールで提供できるように取り組んでいます。Red Hat をご利用いただくと、製品の特定のバージョンに縛られず、製品のライフサイクル全体をカバーできます。サポートされている任意のバージョンの Red Hat ソフトウェアにアップグレードして、物理サーバー、仮想サーバー、またはクラウドベースのサーバーにソフトウェアをデプロイすることができます。すべてのエンタープライズ製品のドキュメント、セキュリティアップデート、バグ修正を含む、バイナリー形式とソース形式の両方でサポートされているすべてのバージョンにアクセスできます。
頻繁にアップグレードするか否かにかかわらず、お客様が必要とする製品を適切な期間に応じて購入できます。Red Hat 製品のライフサイクルは通常、3 年、5 年、7 年、または 10 年です。お客様の要件に最適なバージョンを柔軟に導入し、スケジュールに合わせてアップグレードできます。
当社が必要としていたのは、安定し、安全で、サポート対応のあるオープンソースソフトウェアを提供し、当社との緊密な連携を通じて新しいアーキテクチャの設計と構築を行える経験と専門知識を持つパートナーでした。Red Hat は正にそのようなパートナーです
システムの運用を維持し、オペレーティングシステムの停止を防ぐために、常にパッチを適用し続ける必要はもうありません
「2021 年版世界のテクノロジー展望:Red Hat レポート」、Red Hat、2020 年 9 月
プロセス
オープンソースのリーダー
Red Hat は、エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションを牽引する有数のプロバイダーです。オープンソースは標準に基づいているため、Red Hat が作成するものはすべて、非依存性と互換性を備えています。当社のテクノロジーには、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft、Google などのクラウドプロバイダー間や環境間で相互運用できる柔軟性があります。当社が提供する相互運用性とは、当社がお客様と連携してお客様の現在の設定と統合することです。また、お客様は Red Hat や当社のパートナーエコシステムとともに成長し続けることができます。
柔軟な購入方法と使用方法
Red Hat は、お客様のニーズに最適な、柔軟なコラボレーションの選択肢を幅広く提供しています。特定の製品要件に合わせた年間サブスクリプション、さまざまな製品やプラットフォームにまたがる多用途の計画消費モデル (ハイブリッド確約利用料などのオプションを含む)、アドホックな購入など、お客様のご要望にお応えします。当社の製品は、Red Hat から直接購入することも、パブリッククラウド・ハイパースケーラーのマーケットプレイスを通じて購入することもできます。
人材
パートナーエコシステム
IT 環境には複数のベンダーのソリューションが関係する場合が多いため、コストを最小限に抑え、効率を最大化し、プロプライエタリーのロックインを回避するべく、多くの組織は各ベンダーのそれぞれの強みを補完的に活用しています。
そのため、Red Hat はグローバルなパートナーのエコシステムと連携して、Red Hat とベンダーの共通のお客様が、お客様のビジネスニーズに対応する、革新的で費用対効果の高い、効果的なソリューションを利用できるようにしています。当社のパートナーは、フォーチュン 100 社から独立系ソフトウェアベンダーまで多岐にわたります。Red Hat が持つ強力なパートナー関係により、お客様の要件とパートナーの要件の両方に基づいた、ハイブリッドクラウド対応の Red Hat 製品が生み出されてきました。Red Hat は、次の 3 種類の認定を提供しています。
- 認定ハードウェア: Red Hat ソリューションがテストおよび検証済みの、サポートされているハードウェアで実行されていることを保証します。
- 認定ソフトウェア: とく Red Hat プラットフォームでテスト済みのサードパーティのソフトウェア・ソリューションであることを示します。
- 認定クラウドプロバイダー: お客様が Red Hat テクノロジーでのアプリケーションの実行に使用できる、信頼できるクラウドを提供します。
サポートと専門知識
サポートとは、お客様が問題が生じた際に連絡できる電話番号を提供する以上のことが関係しています。それは、製品の専門知識を提供し、潜在的な問題やベストプラクティスを特定し、お客様が最高のパフォーマンスを発揮できるよう支援することへのコミットメントを意味します。Red Hat を使用すると、電話とオンラインによるサポートをご利用でき、問題の解決にあたっては、エキスパートとの連携で、またはお時間があるときにご自身で対応していただくことが可能です。Red Hat は、企業としてのお客様のニーズに応じたサポートレベルをご用意しています。
- セルフサポート:Red Hat ナレッジベースを利用できます。これは、ソリューション、記事、動画、ディスカッション、および製品ドキュメントのコレクションであり、サポートエンジニアが解決した顧客事例を基に作成されています。
- Standard サポート:Red Hat カスタマーポータルで文書化されたソリューションをすべて利用できることに加えて、通常の営業時間中にテクニカルサポートエンジニアに無制限にアクセスできます。重要度 1 (緊急) の問題については、1 営業時間以内に初期対応します。
- Premium サポート:Red Hat カスタマーポータルで文書化されたソリューションをすべて利用できることに加えて、経験豊富なテクニカルサポートエンジニアのグローバルネットワークに年中無休でいつでも無制限にアクセスできます。重要度 1 (緊急) の問題については、1 営業時間以内に初期対応します。
ケース管理
サポートケースを作成する方法は複数用意されており、Red Hat カスタマーポータルから作成したり、Red Hat Access を使用して Red Hat 製品内で直接作成したり、所在地のサポートセンターに電話をして作成したりすることができます。ケースが作成されると、各製品担当の技術エキスパートで構成される専門チームに割り当てられます。既知の問題の場合は、ポータル内の Red Hat ナレッジベースにある適切なコンテンツが表示されます。それ以外の場合、Red Hat は解決策を特定して文書化し、ナレッジベースにこの情報を追加して、Red Hat コミュニティと共有します。
サポートエンジニアからテクニカルサポートを受けるために、問題を再現したり、問題の妥当性について追加で説明したりする必要はありません。また、Red Hat との連携によるメリットを得られるのは新たな問題に直面するときだけに限られません。当社は、計画から導入、運用に至るまで、お客様をガイドすることで問題を回避することを目標としています。当社のサポートチームはお客様と連携して問題のトラブルシューティングを行います。また、問題を確実に解決するために、Red Hat 内の複数のチームや専門家と協力します。たとえば、ケースに関する支援を得るために製品エキスパートに相談したり、お客様の環境に関する詳細情報を得るためにお客様担当のアカウントチームを参加させたりします。
Red Hat カスタマーポータル
ソフトウェアの本番環境で問題が発生した場合、必要なときに適切な情報にアクセスできるかどうかで、通常の運用を適時に回復できるか、停止によるコストが生じるかが決まります。Red Hat をご利用いただくと、製品ドキュメント、ライフサイクルとサポート情報、トラブルシューティングのための各種ツール、Red Hat ナレッジベースの記事、アカウントとサブスクリプションの管理、セキュリティアップデートなどにアクセスできます。これは Red Hat ソリューションを計画し、デプロイし、保守し、管理する上で役立つため、短時間で問題を解決して最適なシステムパフォーマンスを維持することができます。
複数ベンダーが関わるケースの管理
問題が 2 社以上のベンダーの製品に影響を与える場合には、その解決が最も困難になります。Red Hat は他のベンダーとは異なり、当社の製品のいずれかが関係する問題はすべて自社の問題として扱います。Red Hat エンジニアは、関連製品すべてに対応するソリューションを見つけるために、オープンソース製品に関する独自の幅広い知識だけでなく、他のベンダーやオープンソース・コミュニティとの関係も活用します。
Red Hat との連携方法
Red Hat と連携すると、Red Hat ソリューションを最大限に活用するために必要な人材やリソースにアクセスできます。利用できるリソースについては access.redhat.com を参照してください。
Red Hat レポート、「2023 年版世界のテクノロジー展望:Red Hat レポート」、2022 年 11 月。