Red Hat Enterprise Linux AIの一般提供で 本番環境でのエンタープライズAIイノベーションを実現

RHEL AI がオープンで効率的なモデルとアクセス可能なモデルのアライメントを組み合わせ ハイブリッドクラウド全体の AI イノベーションの可能性を拡大

東京 -

[ノースカロライナ州ローリー - 2024年9月5日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(以下、Red Hat)は本日、ハイブリッドクラウド全体にわたるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)AIの一般提供を開始したことを発表しました。RHEL AIは、エンタープライズ・アプリケーションを強化するための生成AI(gen AI)モデルをよりシームレスに開発、テスト、実行するための、Red Hatの基盤モデルプラットフォームです。このプラットフォームは、オープンソースライセンスのGranite大規模言語モデル(LLM)ファミリーと、Large-scale Alignment for chatBots(LAB)方法論に基づくInstructLabモデル・アライメントツールを統合したものであり、ハイブリッドクラウド全体で個々のサーバーをデプロイするために最適化されたブート可能なRHELイメージとしてパッケージ化されています。

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RHEL AIは、データサイエンティストだけでなく、ドメインの専門家がハイブリッドクラウド全体で目的に応じたgen AIモデルに貢献できる機能を提供すると同時に、IT組織がRed Hat OpenShift AIを通じてこれらのモデルを本番環境用に拡張できるようにします。

Joe Fernandes(ジョー・フェルナンデス)

Red Hat 基盤モデルプラットフォーム担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

gen AIの将来性は非常に豊かなものですが、LLMの調達、トレーニング、微調整にかかる関連コストは天文学的な数字になる可能性があり、一部の主要モデルではリリース前のトレーニングに2億ドル近くかかるものもあります。この金額には、特定の組織の固有要件やデータに合わせて調整するコストは含まれず、通常、調整にはデータサイエンティストや専門性の高い開発者が必要になります。特定のアプリケーションのために選択されたモデルであっても、それを企業固有のデータやプロセスに合わせて調整する必要があります。そのため、本番環境における AI については、効率性と俊敏性が重要です。

Red Hatは、今後の10年間で、より小さく効率的で目的に合わせて構築されたAIモデルが、クラウドネイティブ・アプリケーションとともに、エンタープライズITスタックの多くの部分を占めるようになると考えています。しかし、それを実現するには、コストから貢献者、ハイブリッドクラウド全体で実行できる場所に至るまで、gen AIのアクセス性と可用性を高める必要があります。数十年にわたり、オープンソースコミュニティは、さまざまなユーザーグループからの貢献を通じて、複雑なソフトウェアの問題に対する同じような課題の解決を支援してきました。そのため、同じアプローチを採用することによって、gen AIを効果的に取り入れるためのハードルを引き下げることができるのです。

gen AIへのオープンソースアプローチ

RHEL AIはこのような課題を解決するために開発されたものです。また、ハイブリッドクラウド全体にわたり、gen AIをCIOやエンタープライズIT組織にとって利用しやすく、効率的かつ柔軟なものにします。RHEL AIは次のことを実現します。

  • エンタープライズグレード、オープンソースライセンスのGraniteモデルによってgen AIのイノベーションを強化し、さまざまなgen AIのユースケースに対応します。
  • InstructLabツールによって、gen AIモデルをビジネス要件に効率よく合わせられるようにして、組織内のドメインエキスパートや開発者が、豊富なデータサイエンスのスキルがなくても、独自のスキルや知識をモデルに提供します。
  • gen AIをハイブリッドクラウド上のどこでもトレーニングし、デプロイできます。これは、関連するデータがどこにあっても、本番でのサーバーのモデルを調整し、デプロイするために必要なすべてのツールを提供することで実現します。また、RHEL AI は同じツールとコンセプトを使用しながら、モデルをスケールアップしてトレーニング、調整、提供するための、Red Hat OpenShift AI へのオンランプも可能にします。

また、RHEL AI は、Red Hat サブスクリプションのメリットによってサポートされています。これには、信頼できるエンタープライズ製品の提供、24時間365日のサポート、拡張モデルのライフサイクルサポート、モデルの知的財産補償、Open Source Assuranceの法的保護が含まれています。

RHEL AIをハイブリッドクラウド全体に拡張

より一貫性のある基盤モデルプラットフォームを組織のデータが存在する場所に近づけることは、本番環境のAI戦略をサポートするうえで極めて重要です。Red Hatのハイブリッドクラウド・ポートフォリオを拡張するにあたり、RHEL AIは、オンプレミスのデータセンターからエッジ環境、パブリッククラウドまで、ほぼ全てのエンタープライズ環境にまで拡大する予定です。つまり、RHEL AIはRed Hatから直接、またはRed Hatの相手先ブランド製造(OEM)パートナーから入手できるようになり、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Microsoft Azureを含む世界最大のクラウドプロバイダー上で実行できるようになります。これにより、開発者やIT組織は、ハイパースケーラーのコンピュートリソースのパワーを活用して、RHEL AIで革新的なAIコンセプトを構築できるのです。

ご利用について

RHEL AI は、オンプレミスで実行するか、AWSとIBMクラウドに独自のサブスクリプションの持ち込み (BYOS: Bring Your Own Subscription)としてアップロードするために、Red Hatカスタマーポータルを介して現在一般提供されています。AzureとGCPでのBYOSサービスの提供は2024年第4四半期に予定されており、RHEL AIも今年後半にサービスとしてIBM クラウドで提供を予定しています。

Red Hatは今後数ヶ月のうちに、RHEL AIクラウドとOEMパートナーの幅をさらに広げ、ハイブリッドクラウド環境における選択肢をさらに増やしていく予定です。

サポートコメント

IBMインフラストラクチャCTO兼イノベーション担当ゼネラルマネージャー  Hillery Hunter(ヒラリー・ハンター)氏
「IBMは、企業が効果的なAIモデルを構築してデプロイし、迅速に拡張できるように支援しています。RHEL AI on IBM Cloudは、gen AI導入の最前線にオープンソースのイノベーションをもたらし、より多くの組織や個人がAIのパワーにアクセスして活用できるようにします。InstructLabとIBMのGraniteモデルファミリーのパワーを統合したRHEL AIによって、私たちはクライアントが企業全体で真のビジネスインパクトを促進できるようにサポートするための、gen AIモデルを開発しています」

IDC ソフトウェア開発・DevOps・DevSecOps プログラムバイスプレジデント Jim Mercer(ジム・マーサー)氏
「エンタープライズAIの利点は、AIモデル・ランドスケープの規模の大きさと、社内モデルの選択、調整、維持にともなう複雑さに起因するものです。しかし、より小規模で目的に合わせて構築された、広くアクセス可能なモデルによって、より幅広いユーザーや組織がAI戦略を実現できるようになります。まさにそれが、Red Hatが基盤モデルプラットフォームとしてRHEL AIでターゲットにしている領域なのです」

Red Hat 基盤モデルプラットフォーム担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Joe Fernandes(ジョー・フェルナンデス)
「gen AIアプリケーションが企業で真に成功するためには、より幅広い組織やユーザーがアクセスしやすく、特定のビジネスユースケースに適用できるようにする必要があります。RHEL AIは、データサイエンティストだけでなく、ドメインの専門家がハイブリッドクラウド全体で目的に応じたgen AIモデルに貢献できる機能を提供すると同時に、IT組織がRed Hat OpenShift AIを通じてこれらのモデルを本番環境用に拡張できるようにします」

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