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現在、CentOS Linux 7 上で古いバージョンの Microsoft SQL Server を実行している場合、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) への移行は適切な選択と言えます。Red Hat システムロールRed Hat Insights により管理性が向上するだけでなく、RHEL の新しいリリースで実行することでパフォーマンスが向上し、Red Hat と Microsoft のフルサポートも受けることができます。この記事では、これらの改良点を確認し、いくつかの経済的利点について説明します。 

管理性の向上

最初に、管理上の利点について説明します。RHEL 8 および RHEL 9 では、最新の Ansible collection for Microsoft SQL Server が RHEL システムロールとして提供されています。  Red Hat Ansible Automation Platform (別途入手可能)、または RHEL で提供される Ansible Core パッケージのいずれかを使用すると、SQL Server を数分でインストールして設定できます。その際、基本ソフトウェアのインストールと高度な機能の設定 (接続の暗号化、Active Directory との統合、人気の高い SQL Server の Always On 可用性グループ機能の設定も含む) の両方を行う、より一貫性のあるサポート対象のメカニズムが使用されます。RHEL には、SQL Server のパフォーマンス監視に対するバンドルされたサポートも含まれています。これは、RHEL メトリクスシステムロール を使用して設定されます。  

A Red Hat Insights Topic page provides you with recommendations on how to configure and manage your RHEL systems running Microsoft SQL Server

さらに、すべての RHEL サブスクリプションに含まれている Insights はマネージドサービスで、RHEL プラットフォームとそのアプリケーション (SQL Server を含む) を継続的に分析します。Insights は、予測分析と深い専門知識を使用して、複雑な運用タスクにかかる時間を数時間から数分に短縮します。このようなタスクには、セキュリティとパフォーマンスのリスクの特定、ライセンスの追跡、コストの管理などが含まれます。また、アプリケーションレベルの極めて詳細な情報についてもアドバイス可能です。たとえば、SQL Server データベースによるスケジュールされたバックアップが未実行になっていないか、インデックスを再構築することでデータベース内の特定のテーブルに好影響を期待できないかなどについて、アドバイスできます。

パフォーマンスの向上

TPROC-C: 145,362 tpm (left) and TPROC-C: 239,868 tpm (right)

CentOS Linux 7 上の SQL Server 2022 (左)、RHEL 9 上の SQL Server 2022 (右)

SQL Server を古い CentOS Linux 7 リリースから RHEL 8 または RHEL 9 に移行すると、管理性の向上に加えて、一部のパフォーマンスが向上します。Red Hat と Microsoft は、すでに過去 7 年間にわたって SQL Server on Linux で協働しており、その利点は明らかです。

筆者は個人のシステムで、CentOS Linux 7 上の SQL Server 2017 を使用して SQL Server のパフォーマンスをテストし、これを最新バージョンの HammerDB を使用して、RHEL 9 上の SQL Server 2022 のベータリリースと比較しました。  4 つのウェアハウスに対して操作を実行する 20 人の仮想ユーザーをシミュレートする単純な TPROC-C ベンチマーク を実行したところ、RHEL 9 上の SQL Server 2022 に移行するだけでパフォーマンスが 50%超向上しました*。当然ながらパフォーマンスの結果は、ユーザーが直面しているボトルネックにより異なります。

パフォーマンスの向上は、新しい RHEL バージョン以外でも確認できます。SQL Server 2022 でも多くのパフォーマンスが向上します。たとえば、データ型に基づくセグメントの削除を拡張することで新しい列ストアインデックスが受けるメリット、グローバルアロケーションマップページへの同時更新によるページラッチの競合の軽減、TempDB パフォーマンスの強化によるスケーラビリティの向上、インメモリ OLTP の強化などが挙げられます。

コスト削減

ソリューションを組み合わせることで前述のようにパフォーマンスが向上するため、ハードウェアまたはクラウドのコストが大幅に削減する可能性が極めて高くなります。まずはテスト環境で、使用中のコアの数を減らすか、低価格のストレージ層に移行し、実際に試してみてください。ワークロードが筆者のシミュレーションと類似している場合は、4 コアから 2 コアに減らしても、仮想マシンのパフォーマンスがさらに向上する可能性があります。  

Microsoft のフルサポートの活用

最後に、CentOS Linux 7 上で SQL Server を使用している場合の Microsoft サポートの利点について説明します。RHEL 上の SQL Server は、Microsoft のフルサポート を受けることができます。サポート対象のプラットフォームを使用している場合、Microsoft のあらゆるサポート機能 にアクセスできます。サポート対象のプラットフォームでは、問題の再現という Microsoft が定める要件を回避できるため、時間を節約できます。また、問題を修正する能力が向上し、より重要なタスクに集中できるようになります。

Red Hat によるサポート

CentOS 7 のサポートは、2024 年 6 月 30 日に終了します。RHEL は、大変優れた SQL Server ワークロードの移行先です。Red Hat は、インプレース移行や RHEL 7 での延長サポートから、開発者向けの無料サブスクリプションまで、移行を支援する幅広いオプションを提供しています。CentOS Linux 7 から RHEL にワークロードを移行する際に検討すべき他の理由については、Red Hat の Eric Hendricks (エリック・ヘンドリックス) による こちらの記事 を参照してください。   

追加の詳細情報

Red Hat と Microsoft は、このトピックの詳細情報をウェビナーで提供しています。多数のデモを盛り込んだビデオでは、以下のような場合に、Microsoft SQL Server と Red Hat Enterprise Linux がどのように役立つかを紹介しています。

  • CentOS Linux から Red Hat Enterprise Linux へのワークロードの正常な移行を管理する
  • Microsoft SQL Server を実行するエンタープライズ対応データベースとオペレーティングシステム (OS) の戦略的利点を最大化する
  • Microsoft SQL Server エクスペリエンスの向上を目的として、両方のテクノロジーをより適切に管理して機能と運用効率を高める
  • 総所有コストを削減しつつ Microsoft SQL Server のパフォーマンスを高める 
  • Red Hat Enterprise Linux 上の Microsoft SQL Server がユーザーに提供する詳細情報を使用して、ワンクリック修復でコンプライアンス、セキュリティ、パフォーマンスの問題を検出する

オンデマンドイベントに参加するには、こちら から登録してください。

RHEL for Microsoft SQL Server のプロモーション価格

SQL Server ワークロードを RHEL に移行するお客様は、RHEL のプロモーション価格を利用できます。この期間限定の特別オファーは、オンプレミスまたは任意のパブリッククラウドにある RHEL 上の SQL Server への移行を希望するお客様に対して提供されます。  詳細は、こちら から Red Hat にお問い合わせください。


* Hammerdb TPROCC のベンチマークテストは、4 つのウェアハウスにアクセスする 20 人ユーザーをシミュレートして実行されました。テストは、10 個の vCPU と 16 GiB の RAM 用に設定された RHEL 仮想マシン内の Lenovo P1 Gen 5 ノートPC で実行されました。パフォーマンスの結果は、ハードウェアコンポーネントとワークロードにより異なります。


執筆者紹介

Louis Imershein is a Product Manager at Red Hat focussed on Microsoft SQL Server and database workloads. He is responsible for working with Microsoft and Red Hat engineering to ensure that SQL Server performance, management, and security is optimized for Red Hat platforms. For more than 30 years, Louis has worked in technical support, engineering, software architecture, and product management on a wide range of OS, management, security, and storage software projects. Louis joined Red Hat as part of the acquisition of Permabit Technology Corporation, where he was VP of Product.

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